台風14号が夕方に去っていった・・・
大した被害も出なくて本当によかった・・・
我が県はここ数年で大地震や大雨の被害に合うなど、とにかく大規模な自然災害ばっかりだからな・・・
さてさて・・・
我が家では長男と長女が現役を上がり、野球の話題の中心は光記にシフトチェンジした!!
先週の土曜日に巧大が光記の練習にきてくれて、ノックに一緒に入って守備の指導をしてくれた。
私はその様子を見ていたが、光記にとっての巧大の存在のデカさを改めて感じた・・・
ノックが進む中で光記が打球のバウンドが合わずに、ボールを怖がり一瞬顎が上がった・・・
それを見逃さなかった巧大が、光記に向かって「ボールを怖がるなら野球はするなっ!!」とキツめの言葉を言った・・・
監督やコーチ、そして私が普段そんな事を言ってもびくともしない光記だが、巧大が言うと涙目になり俯いた・・・
その直後いい動きでゴロを捌くと、今度は巧大が光記に向かって「おお!!いいプレー!!」と言って光記を褒めた!!
同じようなことを他の誰かが言っても、あんな嬉しそうな表情を見せることはない・・・
野球に関して、光記は他の誰から褒められるよりも巧大に褒められる事を一番喜ぶ!!
私はその光記の表情を見て、光記の中の巧大の存在ってデカいんだなあ〜と思っていた・・・
すると・・・
1ヶ月ほど前に新しく入団してきた選手のお母さんが・・・
ポツンと・・・
「光記君って、お兄ちゃんに憧れて野球やっているんですね・・・」
「今、お兄ちゃんから褒められたら光記君すっごい喜びましたね・・・」と言われた・・・
そのお母さんはこの日巧大を見るのが初めてであり、入団して間もないので我が家の兄弟の関係性をまだご存知ではない・・・
にも、かかわらずそんな風に見えたんだなあ〜と思った・・・
巧大もだけど長女も・・・
普段の日常生活では『こうきちゃ〜ん!!』と光記を呼び、光記にすぐちょっかいを出したりして物凄く可愛がっているが、これが野球となると物凄く厳しい目で見る・・・
特に巧大は男同士ということもあり、これまで野球の厳しい世界を経験してきているので、物凄く厳しく光記に接する・・・
それを光記もなんとなくわかっているので、野球の事で巧大から指導が入る時の返事は、普段使う『うん』ではなく『はい』である・・・
プライベートでは面白くてカマチョの兄であるが、野球に関しては野球選手としてリスペクトしているのが光記の言葉使いなどでよくわかる・・・
光記にとって野球選手としての巧大は・・・
歳が10歳離れているので、光記は巧大が中学・高校・社会人野球でプレーしているところをずっと見て育っている。
全く巧大は世間的に有名な選手ではない・・・
しかし、光記の目に映る巧大は常に第一線でプレーしている野球選手であり、野球選手としての光記にとっては影響力が物凄く大きい。
そんな部分が先週の土曜日に現れているのだと思う・・・
その日の練習の帰り道に、私と二人だけとなった巧大が車内で久しぶりに見た光記の守備について「あいつ守備いいっ!!」「すごく良くなっててびっくりした!!」と言った・・・
「あとグラブ捌きと、前の打球の合わせを覚えたらもっと良くなるね!!」と嬉しそうに言った!!
野球人同士の関係と兄弟としての関係があり、一旦グラウンドを離れると純粋に弟の成長を喜ぶ兄の顔に戻る・・・(笑)
巧大も巧大で・・・
これまでの自分の野球人生を振り返って、自分であの時にこうすればよかったと思っていることを、光記には同じ後悔をさせたくないという気持ちが強いのがわかる・・・
前にも少し触れた事があるが・・・
今でも巧大は『甲子園』というワードに一切触れない・・・
『甲子園』の中継を一切見ない・・・
高校3年の最後の夏の時の『甲子園』のテーマソングだったOfficial髭男dismの「宿命」を聞かない・・・
そもそも『甲子園』を、言葉として一切発しない・・・
その理由は痛いほどわかる・・・
それほど『甲子園』に対して強い思いを持っていたから・・・
だからと言って・・・
光記に対して『俺が行けなかった甲子園を目指せ!!』とは言わない・・・
自分が小さい頃から目標にしていた『甲子園』・・・
自分が目標だった甲子園を光記に託すことは、自分の価値観を光記に対して押しつける事になるし、光記にとってもそれが重荷になってしまうのが嫌だから言わないのだと思う・・・
しかし・・・
巧大の本音はきっと違うと思う・・・
その証拠に・・・
光記に対して、事あるごとに『俺よりも絶対に上手くなれ!!』というワードを頻繁に使う・・・
この『俺よりも絶対に上手くなれ!!』に隠された気持ちは『甲子園に行け!!』という意味だと思うし、自分の小さい頃からの夢であり目標を、光記が達成することで『甲子園』の呪縛から自分を解き放って欲しいという意味も含まれているのだと思っている・・・
恐らく・・・
本当に恐らくだが・・・
巧大自身の中での高校野球はまだ終わってないような気がする・・・
そして・・・
私自身も高校球児の親としての高校野球がまだ終わっていない気がする・・・