球児としての資格・・・

春季大会が始まったら、夏の選手権まであっという間・・・

シード権がかかった公式戦が、次々と今開催されている高校野球・・・

 

私が言うまでもなく、夏の選手権のシード権というのは大きくて価値のあるものである・・・

巧大達は新チームとなっての2年生の秋季大会から最後の夏の選手権まで、第1シードを1度も他校に譲らず、最後の夏の選手権は2回戦からの出場で、学校からバスで15分程度のメーン球場のまだ涼しい第一試合に固定された状態で県予選を戦った・・・

 

猛暑の中のタイトな日程で行われる選手権において、この条件で試合ができる第1シードは他校にとってはかなりのハンデとなる・・・

 

その貴重なシード権をかけて、2年時の秋季大会からシードポイントを重ねていくことになるのだが、巧大の母校は巧大達の代以降シード権を獲得することができていない・・・

 

今年チームに至っては、秋季大会と春季大会は3回戦負け・・・

現在開催中のNHK旗に至っては、1回戦が昨日行われ初戦敗退・・・

非常に厳しい状況となっている・・・

 

私学の強化部に指定されている部活は、いくら高校のカテゴリーとはいえ結果を求められる・・・

巧大とすずかは私学の同じ高校の強化部となっている野球部と、ソフトボール部に所属していたのだが、特に巧大に関しては国民的スポーツとも言える野球部なので、校内だけではなく校外の高校野球ファンからも結果を求められる・・・

 

故にマスコミ関係も高校野球を大きく取り上げ、テレビ中継を行ったり新聞各紙も記事を大きく取り上げ、それが選手達のモチベーションにもなる反面、大きなプレッシャーにもなってしまう・・・

 

それに今の時代はインターネットの普及により、テレビや新聞などでは取り上げられない、かなりローカルな情報や、SNSを通じて個人を特定できるような情報のやり取りも簡単に可能となっていて、強豪校ではない高校であってもさまざまな情報を入手することができてしまう世の中・・・

 

無名な選手である巧大ですら、現役当時に掲示板に有る事無い事を書かれたりすることもあれば、秋季大会で優勝しベンチ入りしたメンバーが巷に広がると、SNSのフォロアーがものすごい勢いで一気に増え、通学途中やさまざまな場所で声をかけられ激励されたりもする・・・

 

それぐらい高校野球は高校のスポーツ界の中でも特殊と言え、その分校内だけではなく社会からの目がとてもシビアであり、いくら高校生とはいえ常に周りから見られているという強い意識と自覚を持って行動をしなければならない・・・

 

それは高校野球だけに限った話ではない・・・

 

学童野球にしてもきちんとした立ち振る舞いが必要であり、まだ子供だからという例外は無いと思っている・・・

 

お寺の和尚が『坊主の修行はとても辛く苦しいでしょ?』と、よく尋ねられる事が多いが、坊主の修行の時には俗世とは強制的に切り離され、修行に専念できる環境が整っている状況だから厳しい修行に耐える事ができる。

なので、本当に辛いのはそうした修行時代ではなく、誘惑が多い俗世の中で仏の教えをきちんと守り生活を送ることの方が遥かに難しいとおっしゃる・・・

 

それと同じように・・・

野球の時間は礼儀を重んじ挨拶などをきちんとやらなければならない環境下にあるので、できて当たり前の部分であり、監督やコーチなどの目がないプライベートの時間にそういった立ち振る舞いができるかが大切なのである・・・

 

有名どころで言うと・・・

東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手が高校時代に通っていたジムと、巧大が中学時代に通っていたジムが同じで、よく村上選手がトレーニングに励んでいる姿を見ていたが、当時から野球選手としても一流であるが人としても一流だった。

 

当時から注目選手であったが決して驕ることもなく常に謙虚で、我々に対しても深々と挨拶をしてくれていたし、ジムの床に落ちていた小さなゴミを黙って広い、黙ってゴミ箱に捨てているところを見たことがある・・・

 

他にもプロの選手では無くても、地元で注目されている選手や結果を残す選手というのは、陰日向をしない素晴らしい人間性の持ち主ばかり・・・

 

野球はそんな部分が大切だとわかっているからこそ、うちの監督もコーチも礼儀や人として部分にとても厳しい!!

 

今は理解できないかもしれない・・・

しかし、巧大を含め多くの卒団生が口を揃えるように言うのが「〇〇〇ファイターズ時代から、厳しく言われていたので高校の時がとても楽でした・・・」である・・・

 

そういった部分も含めてのチーム方針が『将来のための野球』なのだ・・・

 

今日はどうしてそんな事を書くのかというと・・・

散歩している近所の人達が「光記君は、いつも大きな声で挨拶してくれるので気持ちがいい!!」と、よく言ってくださる。

 

そこに関しては親として素直に嬉しい!!

 

しかし、近所の人達から次に出てくる言葉が、『やっぱり光記君は”野球をしてるから”挨拶もちゃんとできるし、話しかけても敬語でハキハキとちゃんと答えらす・・・』と、ほぼほぼ言われる!!

 

もちろん近所の方々は、光記の事を褒めてくださる意味でおっしゃっているので、親としての立場ではとても嬉しい・・・

 

しかし、それが!!

さっき書いた球児に対する世間の目なのである!!

 

逆にいうと・・・

周りからの目は『球児=礼儀がきちんとしている』であり、野球をやっていなければまだ小学生なのにしっかりしてると評価されるのだが、ある意味球児にとっては、野球をやっているから挨拶ができて敬語できちんと受け答えができるようになる事が前提なのだ・・・

 

それほど社会から見る球児へのゼロ地点のレベルが高いのだ!!

 

だから学童野球とはいえ意識を高く持たなければならない!!

 

私は、決して社会の人達に自分をよく見せるために、挨拶をはじめ言葉使いやさまざまな行動などをきちんとしなさいと光記に言っているのではない!!

 

周りからの球児に対しての良い意味でのシビアな目に対して、小学生の今から意識を高く持つことによって、将来の自分の成長に繋げてほしいと思っている!!

 

プロ野球選手になるとかならないとか・・・

甲子園にいく行かない・・

強豪校に入学できるか否か・・・

野球が上手いか否か・・・

そんな事を言う前に、野球を志すものとしての資格が必要だと思う・・・

 

その資格こそが、周辺の方々が認めてくれるぐらいの人間性だと思う・・・

 

光記には、その人間性を磨くために意識を高く持ち、野球に似合う人間性を手に入れてほしいと思う!!