伝統を守る・・・
昨日の夕方、巧大が仕事から帰宅すると慌ただしく野球着に着替えて、夕食も食べずに出て行った!!(笑)
現役の時よりも野球が忙しそうである・・・(笑)
なんだかんだ言いながら・・・
根っからの野球人ってどんな形であれ、野球から離れられない運命なんだろう・・・(笑)
さて・・・
光記の学童チームも随分人数が増えてきて、いよいよユニフォームなどのチームとして揃える物品の注文が始まった!!
光記とYは全て揃っているけど、チームのリニューアル後新たに入団してきた選手達全員、部員数がある程度揃ってから注文することにしていた。
公式戦は選手登録を10人しなければ出場できないが、OP戦や招待試合は9人揃えばとりあえず試合は可能であり、いよいよその9人に迫ってきたため今回注文を再開した!!
ついに、ここまできたわ〜(笑)
とても長く感じるけど、予想よりも遥かに早いペースで新規入団生が入ってきてくれた!!
しかし・・・
チームとして再出発を図るときには、真逆のチームが消滅してしまうのではないかというネガティブな気持ちも正直あった・・・
去年は私が会長だったので、今後についての希望的観測も持ちながらも最悪なケースも考えなければならない立場であった・・・
ぶっちゃけた話・・・
心の中では・・・
廃部になったら、バックネット裏と大きな木に挟まれた大きなコンテナの部室を、クレーンでどうやって釣り上げて撤去しようだとか、そのクレーン代を捻出するためにコンテナやバッティングマシンにバッティングゲージなどなど、少しでもお金になるものをオークションなどで売って代金を作ればいいかなとかまで考えていた・・・
しかし、そんなことより私が一番苦しかったのは・・・
創部50年近い歴史があり、地域に根付いたチームを自分達の代で途絶えさせてしまうことが一番苦しかった・・・
そんな当時の苦しい状況を経験している我が家とY家族からすると、今回のようにユニフォームを揃えるだけでも嬉しいことなんだっ!!(笑)
それだけではなく・・・
選手用のテントも1つだけ張れば事足りていたけど、最近は2つ使用するようになった!!
選手用のキーパーも途中で飲み物を継ぎ足さなければ足りなくなった!!
ノックも順番待ちしなくちゃいけなくなった!!
グラウンド内では、選手達の大きな声と監督やコーチの声が絶えず聞こえ!!
保護者席では、大きな笑い声が聞こえてくる!!
最近は、そんな些細な事でも嬉しく感じる!!(笑)
そんな今があるのは!!
指導者と2家族で、ダメもとで苦境から逃げずにチャレンジしたからである!!
そんな苦境から逃げることは簡単で、違うチームに移籍すればチーム環境が整った状態で光記も野球ができた・・・
しかし・・・
それをやってしまうと、光記の野球の故郷が無くなってしまう・・・
それと同時に・・・
巧大もすずかも自分の野球の故郷を無くすことになってしまう・・・
巧大やすずかがそうであったように・・・
高校やそれ以上のカテゴリーで苦しい時に、自分が初めて野球を始めた本当の意味での野球の故郷を訪れ救いを求めるというか・・・
一生懸命ボールを追いかけている後輩達を見て、当時の自分と重ね合わせてまた明日から頑張ろうという気持ちにさせてくれる場所・・・
我が子にとってそんな大切な場所を、途中で投げ出して去ってしまうことによって行けなくなってしまう・・・
途中で投げ出したチームにノコノコと行ける訳が無い・・・
特にうちの場合は13年間も通った愛着の深いチームなので、このチームへの思いというのは言葉では表せないほどある・・・
なので逃げずに捨て身でチャレンジできた!!
そんな我が子の野球の故郷を守る気持ちが、やがて我が子だけではなく代々の卒団生達全員の野球の故郷を守らなければならないという使命感へと変わっていった・・・
そして・・・
そんな気持ちが報われたと感じる出来事があった・・・
それは・・・
先日、兄弟で入団してくれた家族を通しての出来事である・・・
バックネット横に、二十数年前にチームが全国大会でベスト8に入った時に、それを記念したメンバー全員の名前が刻まれたプレートがある・・・
その兄弟のお父さんが、そのプレートを指差して「これお父さんだよ・・・」と、我が子二人に向かって言っていた・・・
その後に・・・
小学校1年生の弟くんが、そのプレートに刻まれている自分のお父さんの名前を指差して、私に向かって、誇らしげに「これ!!俺のお父さん!!」と言った・・・
その瞬間に、私は諦めなくて本当に良かったと思った!!
もし、1年前に諦めていたら、この親子にとってそんな瞬間はなかったし、もし私がこのお父さんの立場だったら、自分の野球の故郷であるチームに我が子が入団し、かつての自分の誇りが刻まれたレリーフを、我が子が指差して”これが俺のお父さん”なんだと他人に自慢げに言っている我が子の姿を見たらどれだけ嬉しいことか・・・
そしてさらに・・・
ピッチングマシンの調子が悪くなり、マシンを囲んであれこれ話していると・・・
今度は、その二人の兄弟のおじいちゃんとおばあちゃんがやってきて「うちの息子がここにいた時に、私がこのマシーンのメンテナンスをしてたんですよ」と言って、わざわざ自宅に一度帰って沢山の工具を持って再び来られ、マシンを開けて色々見てくれて原因まで突き止めてくれた・・・
そして・・・
「孫が野球に入って生きがいができました・・・」と、おっしゃってた・・・
当時、球児の保護者として一生懸命このチームを支えていた方が、今度は球児のおじいちゃんとおばあちゃんの立場となって故郷へ里帰りされた・・・
そんな家族の故郷を守れて良かったと心から思った!!
そして!!こうやって伝統というものは引き継がれていくのだとつくづく感じた!!
そう考えると・・・
チームの再建を諦めなくて良かったとつくづく思った・・・
一年前にチャレンジして本当に良かった・・・
光記が卒団するまでのあと2年間は、何が何でもこのチームを守り抜いて次の世代へとバトンタッチして、この家族のように今度はじいちゃんとばあちゃんになって、チームへ里帰りできればどれだけ幸せなことか・・・
今回のこの出来事で私も元気をもらえた!!
私もチームのため!!
卒団生のためにもう一踏ん張りしなきゃな・・・
このチームの伝統を守るために・・・