自立した選手に向けて

私の先輩の〇城さんと、先日のOP戦のことでやりとりをした。

今回の練習試合での投手と捕手の部分はチーム事情によるものが大きいので、光記個人の結果についてはお互いにさほど話題にならなかった。

 

しかし、私が画像に収めていたスコアブックを見て、練習試合とはいえチームの節目となるプレッシャーのかかる重要な試合の上に、光記にとって投手として初先発となるマウンドに上がり四球が二つというのは、技術面がどうのこうのではなく光記の気持ちの強さの表れで褒めてあげないといけないと言ってた。

 

そういった部分に関しては・・・

メンタルトレーナーさんも、先日の光記とのリモート後に「光記君は、お父さんが思っているほど子供ではなく大人です」「私と話している時の光記君は九州男児で、顔つきまで変わります」と連絡がきた・・・

 

何度も書くがトレーナーさんと光記のやりとりは二人だけのものなので、内容について私はわからないが、トレーナーさんがリモートを通して光記にそんな印象を持ったり、今回の〇城さんの感想を聞くと、家族が光記に対して持っている甘えん坊の印象とはまるで反対なのかもしれない・・・

 

そして、バッティングについて〇城さんは・・・

1打席目の二塁打でもなく、内野安打でもなく・・・

アウトになった2打席目のライトゴロに注目していた。

 

ライトゴロのアウトはアウトだけど、2死でランナー2・3塁の場面で反対方向のライトへ運んで学童野球なのでアウトになったけど、そうでなかったらツーアウトからの2点タイムリーヒットになる場面であって、たまたまの振り遅れでライトへ打球が飛んだとしても、状況を詳細に説明しながらとにかく褒めろと言ってた!!

 

ここに関しては私も同じで、光記は確かにその時の状況判断で右打ちしたのではなく、たまたま打球がライトへ飛んだだけ・・・

しかし、この場面での右打ちの重要性を詳細な説明を交えながら誉めることで、先々に同じ場面で打席が回ってきた時に、今度は今回の様なたまたまではなく根拠を持って意図的に右打ちができる様になると思った。

なので、ここに関しては当日の夜に光記を褒めていた!!

 

今度は守備面について・・・

最終回のセンターに抜けると思った二遊間のゴロをセカンドベース脇のギリギリで捕球し、バッターランナーをアウトにしたプレーを伝えた。

 

すると、以前の練習時の動画を見て思っていたらしいが、普段足袋を履いて練習をしているので、グリップが効かず足元が滑る不安定な状態でも送球までの足運びが安定していて、今回も打球になんとか追いつき捕球した時に、バランスが崩れているにも関わらず暴投することなく一塁に送球しアウトが取れているということは、バランスが崩れてもそれを立て直す体幹の強さと足運びがしっかりしているからこそだと言ってた。

 

決して私が〇城さんに、当日のこのプレーを大袈裟に伝えた訳ではなく、二塁塁審をしながら直近でそのプレーを見ていて、本当にギリギリのプレーで捕球時はかなり体制が崩れていた。

そこからツーステップ程入れながら体制を立て直し送球まで持っていった。

 

当然、試合なので足袋ではなくスパイクを履いている訳で、普段足袋を履いている分スパイクを履くと余計に体幹が安定する感覚が光記にはあると思う・・・

そんな普段の足袋を履いている時と、スパイクを履いている時のギャップが生んだプレーでもある気がする。

 

まさに1年半以上続けてきた足袋トレーニングの効果が現れた守備だった。

 

そして、これは練習試合直後のブログ内容には書いていないが、走塁で一つ成長を感じたシーンがあった。

そのプレーは、光記がセカンドランナーとして二塁にいる時に、打者がサードゴロを打ちその打球がボテボテで、サードが前進して打球の処理に当たったが、光記がセカンドからサードに突っ込むにはサードの前進が足りず微妙な打球だった。

 

そして、光記はセカンドに止まる判断をしたが、帰塁しながら一瞬光記がピッチャーを見て、サードのベースカバーに投手が向かっていない事を確認し、その後すぐにサードを確認しサードが1塁に送球した瞬間に反転しサードに向けスタートを切り余裕のセーフになったシーンがあった。

 

この場面で三塁に進塁するのは小学生でも当たり前のプレーであり、そこを評価するのではない・・・

私が評価したいのは、その進塁するまでのプロセス・・・

もっと精密に言えば・・・

そのプロセスの奥にある、その後に起こり得る状況を一瞬の間に想定し、その自分の想定の元に自分で判断し、その自分の判断の元で自分で行動に移している。

 

この一連のことで鍵となるのが『自分』であり、私がこれまで再三ブログに書いてきた『自分で考え行動する』ということができていたことだった・・・

 

この一連のプレーに対して、それに気付いた監督が「光記!!ナイス判断!!」という声が上がっていたが、私もセカンド塁審をしながら、この光記のプレーを見た時に成長を感じた・・・

 

この事を〇城さんに伝えると、野球の中で走塁ほどメンタル・テクニック・スキル・フィジカルが整ってないと上手くいかないものはなくて、ランナーコーチがいるとはいえ一瞬の状況判断とその正確さがランナー個人に求められるため、バッティングや守備に比べると走塁は選手個人にのしかかる責任のウエイトがとても重い部分・・・

 

逆に言えば選手個人の野球レベルを確認するにはこの走塁がもってこいで、パフォーマンス的な部分で選手のフィジカル面とテクニックが丸わかりで、状況判断の部分でスキル面のレベルが・・・

そして、それを行動に移すという部分では選手のメンタル面が丸裸になる・・・

 

そう言った意味で・・・

今回の走塁で現在光記の野球レベルがどれぐらいなのかという裏付けが取れ、他のチームの光記と同じ世代である5年生や6年生と大差がないことが確認できてよかったのではないかと〇城さんが言っていた・・・

 

今後行われる練習試合や練習でも、ホームランやファインプレーが良くて、アウトやエラーが悪いなどの判断基準ではなく・・・

プレーの内容や質によって良し悪しの判断を光記自身ができる様になり、それを元にプレーできる選手になるよう仕向けていかなければならないと言っていた・・・

 

同じアウトになるにもヒットになるにも、質という付加価値をつけれる選手とそうではない選手とでは、中学や高校になった時に大きな差となって選手としての明暗を分ける・・・

 

巧大の時は、このような内容や質的な部分は中学のボーイズ時代だったと記憶している・・・

そこから考えると光記に対して少々早すぎる様な気もするが、先を見越して伝えることに速いも遅いもない・・・

 

そういった意味で・・・

今後の練習や練習試合にて、光記の内容と質的な部分をしっかり見て本人に伝えていこうと思っている。

 

光記の野球も・・・

打てた!!投げれた!!取れた!!走れた!!だけで、喜べない領域へと少しづつ入ってきたな・・・

 

なんだか・・・

嬉しいようで寂しい気もする・・・