自分の生活を犠牲にして、助けてくれた方々への恩返し…

今日の熊本は雨…
そして巧大は、早朝から県模試に出掛けた…

巧大が通う塾は、熊本地震で2度も震度7を記録した益城町

全国ニュースや、特集で取り上げられていた塾で、震災から半年程の間…
無償で塾を開いてくれて、塾生ではない小中学生にも無償で、勉強を教えてくれた…

勿論…
無償という事は、塾の先生方も収入が無い状況となる為、ネットを使って募金を呼びかけて、その募金で塾の運営や、自身の生活をされていた…

それに、塾自体も無傷では無い…
塾の周りは、報道でも何度も取り上げられるほど、被害がひどい地域で、復興が始まった最近は解体工事が進み、塾の周りは民家などが解体され、すっからかんの空き地だらけ…

そんな時期に、塾の運営も相当厳しい状況だったと思う…

しかし、塾生や近隣の子供達が、地震により勉強が遅れないようにと、親身になってタダで勉強を教えてくれた…

震災直後も現在も…
うちら家族も、被害が大きかった地域の住民達のほとんど人達は、まだ何も先に進んでいない…

地震は今でも過去の事でも無く、現在も現実と向き合いながら生活を送っている。
そんな人達の口癖は「自分だけじゃ無いから…」と、いいながら生活している…

悲劇のヒロインと思われたく無いと、周りには笑顔で対応するけど、家に帰れば傾いたヒビだらけの家を見ると、現実に引き戻され、修理代金などの現実見れば、将来への不安だらけ…

そんな辛い時に、支えてくれた塾の先生との男の約束…
ある種、特異な進路の決め方を行う球児達…

そんな中で、その三者面談で将来野球でも、勉強でも中学3年生の大事な時期に、かつて無い大災害を乗り越えたという自信が持てるようにと、目標にしている点数をクリアして、高校に進学して欲しいという内容の、男同士の約束を交わしていた…

それから、中学校でも担任の先生も協力してくれて、休み時間という休み時間の間…
先生の横に、巧大を張り付けてくれて、勉強を教えてくれているらしい…

この前も、面談が学校であり、担任以外の先生が「巧大君が、放課後に質問に来ました」と、言ってくれた…

「最近の学校での授業態度や、生活態度もまるで別人です。」と、担任の先生が、3日前の三者面談でも言ってた…

そして今日、巧大が県模試に向かった…
頑張れるようにと、模試の会場に直接向かわず、志望校の前を通って、校舎を見てから試験会場へ向かった…

辛い時期を経験したからこそ、逆に言えば球児としても、人間としても、その辛い思いをした分の、伸び代が出来たという事…

これを活かさなければ、未曾の大災害を被災して、辛い経験をしただけの人になってしまう…

男約束…
是非達成して欲しい…

それこそが、震災で支えてくれた方々への恩返しであり、同時に自分の成長の為…

親として今回の高校受験を、合格の合否だけでは無く、人としての成長が出来るきっかけにして欲しい…

しかし、その前に…
なんせ小学2年から、野球ばっかりやって来たので、電車やバスの乗り方…

そのうえ…
田舎育ちで、球場には詳しいけど、市内の都会の土地勘は全く無し…

無事、試験受けて家に帰れるんだろうか…(笑)