岐路

最近・・・
三人の子供達のやりとりを黙って見ていると、光記に変化が出てきたことに気付く。

特に・・・
野球に関することで、自己主張することが多くなってきた。

長男や長女が、光記に対して野球の事で指摘したりすると、自分なりの考えなどを言うようになってきた。

これを・・・
悪い解釈をすれば反抗になるんだけど、いい意味で言えば自我が確立され始めたということになる。

自主練をやっていてもトラブルになる事が多くなってきた・・・(笑)
長男も長女も6歳相手に本気でワーワー言わないけど、兄や姉の立場と野球の先輩的な立場で、光記が口答えするときなどは厳しく叱っている・・・

しかし・・・
そんな場面では光記も意地を張って、長男や長女に言われた通りにしないけど、私と二人で練習するときは「兄~にが、この前こぎゃんて言わした・・・」と言って、長男から教わったことを私にやって見せる・・・(笑)

光記的には、長男や長女をリスペクトしているんだけれども、兄弟なのでそんな場面で素直に聞き入れる事が出来ないのが現状・・・

そんな・・・
最近の光記の状況を見て、私はあえて何も言わない・・・

周りから見て甘いと思われるかもしれないけど、一切そこらへんに関しては一言も言わずいつも静観している・・・

それはなぜか・・・
私の親しい臨床心理がいて、光記のその最近の変化は「光記にとっての野球が変化を始めたから」だと聞いた。

それじゃ・・・
どんな変化なのか・・・

「光記にとっての野球の環境は長男と長女の影響で、日常生活でご飯を食べたり歯を磨いたりするぐらい日常的な事で、光記が野球を始めるという事に関してハードルが無いに等しい環境で野球を始めた」

「本人の中で、ある意味義務的というか野球をやるのが当たり前的な気持ち・・・」

「しかし、今はチームに所属して少しずつ一人の野球選手としての自我が産まれてきていて、今の自己主張を無理に親が止めようとすると、いつまでたっても野球選手としての自立が出来ない」

「なので、上の子達から否定されながらも自分なりに葛藤する事で『自分は、上の兄弟が野球をやっているから、自分も野球をやっている』という考えから『自分が野球をやりたいから野球をやっている』という考えにシフトしなければいけない・・・」

「だから、今は黙って見ておいたほうがいい」と、言っていた。

それを聞いた私なりの解釈は・・・
『やらされ野球や、野球をやるのが当たり前の環境からの脱却』
なのだと・・・

いわゆる・・・
野球選手としての自立に向けて、光記が歩み始めたのだと・・・

光記が対外的に、上の兄弟にとるような態度をとれば、それは当然言語道断で私も厳しく叱る・・・

しかし・・・
光記本人が、そんな態度をとっていい人といけない人の見極めができている範囲だったら、しばらくは今のスタンスで光記の成長の過程として、静観しておこうと思っている。

自分のところも含めてだけど・・・
やらされ野球をしている選手達の行く末を沢山見てきた・・・

指導者や親の目ばかりを気にしてプレーしている野球選手に、魅力もなければ伸び代もない・・・

野球が上手いとか下手とかの前に・・・
野球が好きなのか嫌いなのか・・・
野球が楽しいのか楽しくないのか・・・

そして・・・
本当に自分が野球をやりたいのか否か・・・

光記は・・・
今・・・
義務的野球と、自分がやりたい野球の岐路に立っている・・・