将棋の”歩”

最近・・・
レギュラーガソリンの価格が安くなり、私のような一般庶民にとっては、本当にうれしい限りです。
こちら熊本でも、地域によってばらつきはありますが、うちの近くのガソリンスタンドでは、レギュラーガソリン1ℓあたり102円になりました。
それでも、私の若かりし頃である20年ほど前の、ハイオク並みの価格ですけどね・・・(笑)

さて、先週の土曜日は山鹿市民球場にて、福岡のボーイズリーグ所属チームとの練習試合でした。
うちのチームにとっては、冬季練習明けの今年最初の実戦で、私には第1試合の選手達の動きが硬く見えました。

試合結果を先に言えば、第1試合の1回の表に1点を先制され、7回までお互いに得点を上げることなく、そのまま1対0の完封負け・・・
私は残念ながら、法事のために第2試合と第3試合を見ることができませんでしたが、結果的には1勝2敗の成績だったようです。

私が見た第一試合巧大の状況・・・
4回まで相手投手にチーム自体がノーヒットに抑えられ、いやなムードが流れていたのですが、4回の裏は1番から始まる好打順で、流れを変えるチャンスでした。
しかし、残念ながら1番の先頭打者が倒れ、1アウトランナーなしで2番に座っていた巧大に打席が回ってきました・・・

その打席の結果を先に言えば、2ストライク0ボールと追い込まれての、ピッチャーの足元を抜くセンター前ヒット・・・
保護者の方々が、チームとしての今試合での初ヒットを打ったことと、年明けの初めてのチームとしてヒットを、巧大が打ったことをお褒めいただきました。
そして、私は全く覚えていないのですが、去年の夏に新チームとなり、広島で臨んだ1試合目に新チーム初ヒットを打ったのも巧大だったらしく、そのことも覚えてて下さり「巧大持ってるね!!」と言って下さりました・・・(笑)

私はもちろん、ヒット自体も嬉しかったのですが、私が本当に嬉しかったのは、一回裏に1番打者が初球をセンターフライでアウトになり、2番の巧大が2球目を打ちショートゴロで終わったという経緯がありました・・・

1番打者が初球を積極的に打っていってのアウトだったため、2番打者の役割として、1番打者の代役として相手投手の球数を稼がなければいけない場面で、早打ちをして2球目を引っ掛けた形でのショートゴロ・・・
それが、相手チームのリズムを作ってしまっていた様に私は見えていて・・・

それと同じ様な、シチュエーションがその四回の裏にやってきて、今度は巧大がどんな対応をするのかと思っていたところで、セオリー通り打ち上げず強いゴロでピッチャー返しをして、内野の間を抜きセンター前にもっていったこと・・・

帰りの車の中で巧大に確認すると、あの場面は粘って四球でもなんでもいいので、出塁を狙っていたと・・・
「あの場面で打ち上げたら、多分・・・俺また一発で途中交代だった・・・」と言ってました・・・(笑)
しかし、それだけの危機感を持ち、場面に応じた仕事を考え、自分は何をするべきかを考えているのだと思い、私も大笑いしましたが嬉しく思いました・・・

結果的に第1試合は2番セカンド、第3試合は2番ショートで2試合に出場し、打撃成績は5打数2安打1四球の出塁率.600でした。
第3試合にも、ピッチャーゴロだったようですが、巧大自身は当たりは良かったと言ってました。

この、冬季練習のテーマとして取り組んだのが、バッティングでした・・・
センターから反対方向への鋭い打球を打つこと・・・
とにかく、ポイントを引きつけて強くボールを叩くことを、約この2ヶ月間取り組んできました・・・
私が見る限り、今までの巧大の中で一番と言っていいほど、今年の冬は課題に対して真剣に取り組んでいた様に見えます。

昨日の、練習後の自主練の時にUコーチが巧大に対し、
「長距離バッターだけでは野球は成り立たない・・・」
「お前みたいな、間を抜く様なバッターがいないと、試合には勝てないんだ」
と、言ってくださっていました。

前に、親子共々野球でお世話になっている方が言われましたが・・・
「将棋では、”歩”の一手でも対局相手を詰める事ができる」
「逆に手持ちの駒に”歩”がなくて、対局に負けてしまう事もある」
「将棋の駒で圧倒的に多いのは”歩”であり、相手の懐深く切りこめば厄介な”金”に化ける」
「相手から大手をかけられた時に、捨て駒となって大手を阻止することもできるのが”歩”だよ・・・」

「要するに巧大は”歩”・・・」

「1駒で圧倒的な力を持つ”飛車””角”を目指すのではなく、1駒の力は非力でも数で勝負し、使い方次第では”成金”となり相手深く切り込み、決定打にはならなくても致命傷を与えることができる”歩”になることが巧大の生きる道だと思う・・・」

「巧大は数おおくの技を身につけて、相手深く切り込み圧倒的な技と多彩な動きでもって、相手を翻弄する選手を目指さなけれいけないのじゃないかな・・・」

そんなことを、私に話してくれたことを思い出しました。

将棋の歩の駒のように、大きさも重さも最も小さく軽い・・・
しかし、数は圧倒的に多い・・・
巧大に当てはめると、とてもわかりやすい・・・
結果的に”パワーがなければ多彩な技術で勝負しろ”ということ・・・

やっぱり、先日のブログにも書きましたが、
「まずは自分を知ることから始まる・・・」
それを、社会人野球選手のM選手も、昨日しきりに巧大に伝えてくれていました・・・

今後の巧大にとって、上の世界で生き残る道・・・
言い換えれば、自分の武器となるプレイスタイルが、鮮明に見えた練習試合でもあったと思います。

もちろん完全ではありませんが、この冬に取り組んできたことのモニタリングとして、まず第一段階としては、いい滑り出しができたのではないかと思います。

もっともっと、技を磨いてほしい・・・
もっともっと、いろんな技を得て欲しい・・・
もっともっと、巧大らしさを見せて欲しい・・・

何度も何度も言いますが・・・

「見返すのは他人じゃなく、以前の弱かった自分」です!!

言い訳を繰り返して、立ち向かわなければ、中学三年生となるこの時期から先は、容赦なく淘汰されていきます。

これは、間違いないことです・・・

これを、今の時期に上手くごまかしても、高校に行けば全く相手にされることはありません・・・
だから絶対に、妥協せず自己満足に浸らず、前に進んでください・・・

将棋の「歩」の精神で・・・