春が来た…

午前中に、仕事で訪問に行ってきました…
その方の自宅から、玄関のドアを開けて外に出ると、風に乗っていい香りがしてきました…

お話を聞くと沈丁花の香りだった…
その沈丁花の香りを運んできた風もまた…
空気は冷たいけどほのかに暖かい爽やかな風…

暦の上ではとっくに春だけど…
いよいよ、肌で実感できる春が来た…

田んぼからは、雲雀がピリピリ泣いている声も聞こえ、あぜ道にはつくしが出始めた…

その背景には、ブルーが風に揺られてひらひら舞っている…

そのブルーは澄み切った空ではなく、震災によって瓦が落ちてしまっている家屋の屋根に張られたブルーシート…

最近は、うちの近所も家屋の解体が進んで来た…
うちの斜め前の家も…
そして、目の前のお迎えさん宅も無くなってしまった…

そしてうちの自宅はというと…
先日行政からの説明があり、国交省指定の地滑り地区に指定されるかもしれないとの内容だった…
これから、およそ半年ほどかけて地滑りの程度を調査するらしい…

その時の資料で、うちから20mほど離れたお宅は、地図上で危険を示す赤色で塗られていた…
うちは黄色…

立ち退きとかになると大変だなあ~
何か先に進もうとすると、直ぐに次の問題が浮上してくる…

もう少しで震災から一年…
うちにとっては、地震直後とな~んにも変わらない…

しかし…
そんな厳しい現実の中から、そんな春を感じると心がホッコリするなぁ~

震災前は、こんな春を感じるだとかなんだとか…
全く無縁な男だったのに…

歳のせいなのか…
それとも、震災のせいなのか…

自然を実感できるようになった…