3年ほど前に最高学年の6年生が卒団すると、試合はおろかまともな練習もできない状態となることを悟った選手達が、ひとり・・・ふたり・・・とチームを去っていき、その6年生が卒団すると同時に、とうとう当時3年生だった光記と2年生の〇〇の二人だけとなった・・・
私個人としては・・・
チームを辞めていった、光記より1つ2つ年上の選手や保護者にとっては、学童野球生活の集大成となる当時5年生や6年生の時期は、たくさん実践経験を積み中学に備えたいという気持ちは理解できる。
しかし、光記や〇〇にとってはそれを100%理解できるものではなかったと思う・・・
その時に光記も〇〇も「試合できなくてもいいから、二人で〇〇〇ファイターズで野球を続ける!!」と二人は言った・・・
先日も書いたと思うが、小学生が試合ができなくてもいいなど本気で思っているはずがない事ぐらい、我々大人にはわかっていた・・・
春になると現4年生と3年生になった二人だが、現実が襲ってきて5年生も6年生もおらず頼る先輩がいない中で、たった二人となった状況はとても寂しく心細かったと思う・・・
しかし、二人はそんな現実に負けず、広いグラウンドでキャッチボールをしたりノックを受けたりしていた・・・
そんな二人にできるだけ寂しい思いをさせまいと、卒団した中学1年生の選手達が変わるがわるグラウンドにきてくれたり、話を聞いたチームのOB達が練習にきてくれたりしてくれて、今思えば寂しいながらにも人同士の絆のありがたさを強く感じた時期だったように思う。
そして現在部員数が12名となり、光記がキャプテンとしてチームをまとめている・・・
先日・・・
光記のメンタルトレーナーさんと別件で電話で話していたが、やがて光記の話になり・・・
トレーナーさんの方から、リモートの時に光記個人の野球についての質問をしても、全てチームのキャプテンとしての答えが返ってくるらしく、光記の頭の中は自分のことよりもチームの事で頭がいっぱいの様だと言っていた・・・
繰り返し何度も説明を行っても、返ってくる答えは結局キャプテンとしての答えになってしまうらしい・・・
私はその話を聞いた時に、真っ先に冒頭に書いた部員が二人だけになった時の経験がそうさせていると思った・・・
二度とあの様な寂しい思いはしたくないという気持ちが強くて、自分のことよりもとにかくチーム全体が上手く事を最優先に考え行動しているのだと思う・・・
本来であればまだ小学生の時期に経験しなくてもよい苦労で光記がかわいそうな気もするが、私はこの経験というのは将来必ず役に立つと思っている。
野球云々の前に仲間を大切にする気持ちや、人は支えあって生きていることなど、人としての部分を学ぶきっかけになっていると思う。
自分のことより周りを優先して考え行動することが、一見損をしている様に感じることもあると思う・・
しかし、保護者の方々の話を聞くと・・・
光記への信頼がとても厚いことが伝わってくる・・・
光記のチームを思う気持ちはきちんと周りへ伝わっているからっ!!
いくら学童野球といえども・・・
キャプテンというのは孤独で辛い立場である・・・
しかし、その苦労がやがて大きなプレゼントを必ず与えてくれる。
耐え難きに耐え・・・
忍び難きに忍び・・・