故郷

スマホから、けたたましく鳴り響く、台風に対する避難準備や避難勧告を知らせる警報音…
先の地震で、ナーバスになっているせいか、音が鳴り響くたびに敏感に反応してしまう…
しかし、今のところ全く風吹かない…
何とかこのまま、たいしたことないならいいけど…

今日はチームを引退した巧大も、未だ出来ていない部分の台風対策の為、自宅で手伝いを頑張ってくれた。

そんな中、私達夫婦は午前中に平成27年度保護者会総会が無事終了し、名実ともに新役員さん達に印籠を渡し、私自身も保護者会副会長という大役を退任した。

たいした貢献もしてはいないけど、何だかホッとした…
会社組織も、2代目次第で業績を上げるか、会社潰すかが決まってしまうと言われるけど、そんな見えないプレッシャーがかなりあった…

しかし、なんだかんだ言いながら選手達の頑張りで、チーム創立以来初優勝を飾るなど、素晴らしい成績で締めくくってくれて、私たち保護者会にも花をもたせてくれ、恵まれた役員生活を送ることが出来た。

新役員の方達は、もっともっといい保護者会にされると思うし、新チーム自体もいい成績を残してくれると思う…

至らない副会長でしたが、本当にありがとうございました。

さて…
一足早く、チーム関係者方以外で巧大と私が、野球関係でお世話になった方々への挨拶回りを、先週ぐらいから行った。

中学硬式野球を無事に終えたというご報告と、支えていただいたお礼を伝えに廻り、昨日が最終で、学童時代に所属していたチームに挨拶に行き、練習にも参加させていただいた…

その学童チームの監督は、何度も言うように、巧大にとっては6歳から野球のイロハを学び、野球の父親みたいなもので、私にとっても親友でもあるTちゃん…

そのTちゃんが、巧大が卒団するときにくれた、メッセージボールに書いてあった、「初志貫徹」という言葉…
このブログのサブタイトルにも、この初志貫徹という言葉を使っているけど、これはTちゃんが巧大に送ってくれた言葉…

どんなに辛いことがあっても、初めて野球を始めた時の気持ちを忘れず、その時の気持ちを貫いて欲しいという気持ちがこもった言葉。

その一段階が終わった事を報告に行き、その後ノックを受けている、巧大を見ていた保護者の方に、Tちゃんがハニカミながら「これが3年前の、うちのショートです…」と言った…

絶対に、巧大本人に対して学童当時からまともに褒めないTちゃん…

そんなTちゃんが、どんな意図で言ったかはわからないけど、俺には巧大に対しての労いの言葉に感じ、何故かこみ上げてくるものがあった…

巧大が中学硬式野球に挑戦し、何度となく苦しんでいる時に、必ず巧大の様子を忙しい練習の合間を縫って、巧大を覗きにきてくれたり、少しでもいい気分転換になればと思い、その学童チームに連れて行ったりすると、苦しんでいる事を俺も巧大も一言も言わなくても…

「大丈夫だけん、今せなん事をちゃんとしろ…」
「いつでも、ここに来てよかけんね…」

と、詳しい話も…
来た理由も聞くことなく、言ってくれていた…
本当に、ありがたかった…

そして、私達親子揃って支えてもらったある方…
巧大本人は勿論、俺も含めて成長させていただいた方がいる…
その方にも、お礼を伝えると…

「親子揃って、その笑顔で終われた事が一番なんです」
「でも、終わったということは、新たなスタートをきったという事なんで、最善の準備を今から始めよう」と言ってくださった。

帰る場所がある…
それだけで…

そして、また一つ帰る場所が今日増えた…
2年半過ごした場所…
雨が降れば、どこに水たまりができ…
春になればどこに桜の花が咲くのか…
夏になれば、球場のどこが涼しくて…
秋になれば、どのどんぐりの木が大きな実を実らせるのか…
冬になれば、霜解けの時間がどれぐらいなのか…
そんな、何もかもを知り尽くした場所…

そんな場所が、とうとう今日故郷となった…

初志貫徹…
この2年半は、未熟な巧大と未熟な俺を含めた家族にとっては、精密に言えば「初志貫徹をさせて貰った」と言える…

これからは、自力で貫いていけるよう、巧大には頑張って欲しい…
そんな姿を、お世話になった方達に見せて欲しい…

でも、少し疲れてしまった時に…
故郷に帰るのもいいもんだよ…