猿芝居

昨日、自宅の自主練部屋である和室で光記にティーを上げながら、巧大とすずかも小さい頃からこうやって一緒に自主練やってたなあ〜なんて突然思った・・・(笑)

 

ティーを打ち損じて和室の障子を破いちゃったり、観葉植物の枝を折ったりした事・・・(笑)

自主練やっててお互いにイライラして親子喧嘩したこと・・・(笑)

あまり遅くまで自主練をやって、私の母から怒られたこと・・・(笑)

 

自主練をやっていると色々な思い出が蘇ってくる・・・

 

長男と長女が現役だった頃からまだ1年も経過していない・・・

しかし、最近それが遠い昔の事だった様に感じる・・・

 

当時は3人現役だったので、シーズン真っ最中の時期は3人の子供達全員の野球やソフトを1日でハシゴした時もあった・・・

 

そんな当時は超大変だと思っていたけど、人間というものは欲深い生き物でそれが無くなると、あの頃は良かったなあ〜なんて思ってしまう・・・(笑)

 

もし、光記が野球をやっていなかったら、私は今頃どうなってたんだろうと思ってしまう・・・

 

さてさて・・・

その光記だけど、日曜日のバッティングを見ていて、テイクバック時にヘッド下がってそのままバットが出てくる傾向が見られた。

いわゆるドアスイングの状態・・・

なので昨日の自主練でその修正を行った。

 

しかし・・・

そのドアスイングになっているという答えを、本人に対して決して言わない・・・

その理由は、自分自身の力で答えまで辿りつかせるため・・・

 

打球が一塁側へのファウルフライと三塁側へのボテボテのゴロが多い事を、あたかも今気付いた様に言うと、自身もいつもはセンター前や右中間側へのライナー性の当たりが多いのにと言う・・・

 

そして、なぜだろう?と私が話を振っていき、動画を何度もコマ送りしながら二人で見ていると、光記があーでもないこーでもないと言い出す・・・(笑)

 

その中で、光記が「バットが下から出てるけんじゃっ?」と言った時に、私がここぞとばかりに「そこだっ!!」と、言う!!(笑)

じゃあ〜なんで、下から出る様になったのかを再び光記に振る!!(笑)

 

すると・・・

光記が「打とうとする時に、バットの先が下がりよるけんじゃ?」と答えた!!

待ってましたとばかりに「あっ!!テイクバックの時にバットのヘッドが下がって、そのまま振りよるけん、ドアスイングになっとるとだ!!」と言って、そのドアスイングについての一部始終を光記に説明してから自主練に取り掛かかった・・・(笑)

 

光記自身が答えを出すように猿芝居を打つのだっ!!(笑)

 

このドアスイングは、小学生によく見られる現象でその改善方がYouTubeなどに沢山紹介されているが、私のやり方はカラーボールを使って光記は右打ちなので、左手は甲の部分で、そして右手は手のひらで、全てセンター方向を強く意識させて打たせる方法をとる。

 

これが理に適っているか否かはわからないが、小学生には一番わかりやすく改善が早いと思ってやっている・・・

 

そのやり方で右手と左手のそれぞれ30球を3セット程やって、今度はバットを持たせてスローモションスイングを10回ほどやらせてから、今度は実際にティーを打たせるのだが、この時に10球中何スイングが合格だったかを数える。

 

そうすることによって、本人に手のひら打ちでの右手と左手の動きを強く意識させることができる。

 

バットを振っていてだんだん集中力が切れてきたなと思ったら、また手のひら打ちに戻し同じ流れを何度か繰り返し、昨日は3セット程やったところで10スイング中8スイングの精度まで上がった。

 

もちろん昨日一日で完全に治るということではなく、これをしばらく毎日続けていくことで改善をしていく・・・

 

これからが巧大から学んだ重要なことで・・・

最初に書いた猿芝居的なやりとりは、あくまでも答えは自分で出したと光記に錯覚させるため・・・

 

そんな、錯覚をさせてから自主練のメニューの手のひら打ちを行うと・・・

昨日も光記が途中で「ああっ!!だけんっ!!手でボールを打つと!”#$%&’()0〜=・・・・・ねっ!!」とっ!!

光記のひらめきが長いので割愛するが(笑)、自主練での手のひら打ちの意図を自分の口で言ってきた。

 

そこでめちゃめちゃ光記を褒める!!

なぜ褒めるのかというと・・・

 

もちろん目の前の課題を克服する為の自主練だけど、それこそ一昨日ブログに書いたように将来の野球のためには何事も経験が必要であり、改善の方法まで覚えることによって、先々それをヒントに自己修正ができる様になる。

 

そこで光記を褒めることによって、光記が自分の力で原因に気付き自分の力で修正したのだという成功体験として記憶にインプットされる。

 

つまり、ドアスイングになると一塁側へのファウルフライとサード方面へのボテボテのゴロが多くなるという原因と、それを改善するには手のひら打ちで学んだ左の脇を占めて軸足の回転を素早く行えば改善できるといった成功体験の二つを同時に経験できる。

 

中学や高校になると親の出番は無いというか、親が口出しをすることは出来ないので指導者からの指導を元に、自分の力で修正しなくてはいけなくなる・・・

 

中学や高校、若しくはもっと上のカテゴリーで必要な”自分で考える”野球・・・

そして、その先には野球選手としての自立がある。

今の光記には、その”考える野球”の”考え方”を学ぶ時期だと思う。

 

巧大が学童野球時代から中学の途中まで、私は巧大に対し正解なのか間違いなのかわからない様な事を言って、しまいには気持ちが足りないと理不尽な事ばっかり言っていた・・・

 

当たり前だが・・・

それで巧大は成長できなかったし親子の溝を深めるばっかりで、巧大にとっては嫌な思い出しか残っていない時期だろうと思う・・・

 

それを教訓に、私は『子供に寄り添う野球』というテーマを自分に掲げた・・・

これは、すずかに対しても現役最後まで徹底したし、光記に対しても絶対にこのスタンスを崩さず現在も続けている。

 

光記はまだ小学生!!

その光記の野球ぐらいであれば、私の様ななんちゃってでもおおよその不調の原因ぐらいはわかる。

しかし、その答えを本人に言うことは簡単で、目先の改善を図るためには答えを伝えることが一番早い・・・

 

しかし、長い目で見た時に自分で考える癖がついている選手と、そうではない選手の差というものはとても大きく残す結果の差も大きい!!

中学ぐらいまではどうにか誤魔化せても、高校にもなると自分で考え行動できない選手は結果を出すことができなくなってしまう・・・

 

先ほども書いた様に・・・

今の光記は、”考える野球”の”考え方”を学ばなければならないし、考え方の根本にあるのは”なぜ?”という疑問を持つ事だと思う。

 

光記には・・・

その”なぜ?”を大切にできる選手になってほしい・・・