これまで何度も書いてきたが、巧大が野球を始めた小学校2年生から使っていたローリングスのグラブ・・・
このグラブを巧大は、学童野球当時”兄貴”と呼んでいた・・・
何年も使っていると当然ボロボロになってきて、新しいSluggerのグラブを巧大にプレゼントしたが、巧大は「”兄貴”が可哀そう」と言った・・・
喜ぶものだと思っていた私は拍子抜けした・・・
せっかく購入したからと、新しいグラブを使うように言って渋々使っていたが、試合になると”兄貴”しか使おうとしなかった・・・
そんな、ある日・・・
巧大の部屋をのぞくと”兄貴”の傷んだ部分を巧大が自分で縫っていた・・・
それを見た瞬間に、巧大の”兄貴”への思いの強さに私の心が強く突き動かされ、行きつけのベースボールショップへ修理をお願いした。
すると・・・
そのベースボールショップの店主の奥さんが、修理するよりも新しいグラブを買った方が安くつくと言われた・・・
しかし、修理に至った経緯を説明すると修理を引き受けて下さり、一週間ほどして修理ができたという連絡をうけて巧大と一緒にグラブを受け取りにいくと、驚くほど”兄貴”がよみがえっていた!!
巧大が喜びグラブを受け取ろうと手を伸ばすと、店主の奥さんが「いつもグローブを大切に使ってくれてありがとう・・・」と言って、巧大にグラブを手渡してくれたのを今でも鮮明に覚えている・・・
それからというもの・・・
このベースボールショップとのお付き合いを今でもさせてもらっている。
その後も何度も修理やメンテンナンスを重ね、巧大が学童野球を卒団すると同時に”兄貴”も現役を引退し、我が家の野球ミュージアム入りしていた・・・
そして、それから月日が流れ・・・
光記も野球を始め、数年前に光記にグラブをプレゼントしたが、どうしてもそのグラブがなじまず、それを見かねた巧大が我が家の野球ミュージアムから”兄貴”を取り出し光記に「これを使ってみろ」と言って”兄貴”を手渡した。
それからというもの・・・
光記もこの”兄貴”にとりつかれた・・・
しかし、当然ながら使っているうちに劣化が酷くボロボロ・・・
でも・・・
これがまた巧大と同じで、光記もほかのグラブを使おうとしない・・・
流石に行きつけのベースボールショップに持ち込んでもこれ以上の修理は無理だと判断して、今日”兄貴”の修理を我が家でやった・・・
ジーンズ用の糸を使って手縫い!!
何とか上手くできた!!(笑)
”兄貴”が再び息を吹き返した!!
周りからするとボロボロのグラブなんだけど、我が家にとっては高額なグラブよりも何十倍も何百倍も価値があるグラブで、なにより巧大と光記を14年に渡って守ってくれているまさしく”兄貴”の様な存在・・・
光記にとっては、野球のヒーローである兄~にが使っていた”兄貴”を使う喜び・・・
そして、巧大にとっては自分の魂が入り込んだグラブを弟がつけて野球をやっている姿を見る喜び・・・
そんな二人のそれぞれの思いを”兄貴”が繋いでいる・・・
俺からすると・・・
世界中の人々に誇れるグラブなんだ!!
そして!!
世界一かっこいいグラブなんだっ!!
そんな我が家にとって世界一のグラブを手に、明日・・・
学童野球人生最後の高円宮杯に挑む光記!!
そして、”兄貴”にとっては通算6回目で最後の高円宮杯となる・・・
その最後の高円宮杯の開会式で選手宣誓を務める光記・・・
”兄貴”へのはなむけの意味でも立派に役目を果たして欲しい!!