最近このブログで頻繁に出てくる「光記の守備」というワード・・・
新たな段階へと入り、ワンランク上のグラブ捌きや球際といった部分が必要になってきた。
今までは、基本の中の基本的な捕球動作を徹底して行っていたため、グラブの使い方も基本的な使い方でよく1年半程前に買った光記自身のグラブで難なく捕球できていたのだが、光記の体の成長を見越して体より大きなサイズをグラブを購入したため、今回の様にステップアップを図り、これまでとは違い少し複雑な動きを求められるようになると、途端にボールをポロポロするようになった・・・
それを見た巧大が、我が家の野球ミュージアムに飾っていた自分が学童時代に5年間愛用していたグラブを出してきて、それを光記に使うように言った・・・
そのグラブは以前のブログにも書いているが、巧大が『兄貴』と呼ぶほど大切にしていたグラブ!!
何度も何度も大規模な修理を行いながら使っていたグラブで、野球経験者の大人だったらそのグラブを一目見ると、相当使い込まれておりとても大切にされてきたグラブだととわかるが、光記にとってみればあちこちが縫い合わせてあり、もともと茶色だった色も色褪せ黒つちで黒く変色しているただの古いグラブにしか見えない・・・(笑)
光記はあまり乗り気ではない様に見えたが、2週間ほど前にその『兄貴』をバックに入れて練習に向かった・・・
キャッチボールの時から、その兄貴をつけてボールをキャッチしてみると!!
側から見てもその違いが歴然だった!!
そして、いざノックを受けてみると!!
今までだったら弾いていた打球が、サクサクっとグラブの中に収まる!!
その違いにびっくりしているのが光記本人で、嫁さんが先週のキャッチボールの時に違うグラブをつけさせてみたけど、光記がすぐ『兄貴』に変えたらしい・・・(笑)
光記が1年半ほど前にクリスマスプレゼントとして買ってあげたグラブを、大切にしていないとか、粗末にしているとかそういった事を言いたいのではない!!
例え見た目がボロボロのグラブだけど・・・
長い間使い込まれて、メンテナンスを繰り返して手入れされたグラブというものは、光記が使ってみて驚いた様に不思議なほどボールが取れるんだよ!!
光記が
「兄〜にのグローブ・・・」
「ボールを取らんでもボールが取れる・・・」と、日本語的に不思議な表現をしていた・・・
巧大コーチは、小学校時代に新しいグラブを買ってあげても、このグラブが「かわいそう・・・」だと言って変えようとしなかった・・・
そして、皮が裂けている部分を自分で縫ってまでも使おうとした・・・
それを見かねて、光記もお世話になっているベースボールショップに修理をお願いした・・・
その後、何度もオーバーホールレベルの修理をして、とうとう学童時代の5年間をそのグラブ一つで過ごした・・・
その後も・・・
巧大コーチは、中学1年生から高校2年生だったかな・・・
約5年間ほど『2代目兄貴』を使用して、この2代目兄貴も何度大規模な修理をしたかわからない・・・
そして、高校2年から社会人野球の4年間で『3代目兄貴』を使用して、13年間の現役生活で、僅か3っつのグラブしか使ってない・・・
特に高校から社会人野球に関しては、ほぼほぼ毎日練習で使用するので、その分グラブが痛みやすく、日頃のメンテナンスを相当やっていた。
グラブを雑に扱ったり、グラブを変えるとかわいそうだと思えるほどグラブを大切にすれば、根拠のないオカルト的な話になっちゃうけど、グラブに自分の思いや魂が入りグラブ自身が使い手を全力で助けてくれるんだ!!
9回の裏、二死満塁・・・
一打逆転サヨナラの場面・・・
極限に追い込まれた状況で、自分のところに打球が飛んできた時に一番の味方になってくれるのはグラブ・・・
そんな時に・・・
自分自身が全幅の信頼をおくグラブを付け、グラブも全幅の信頼をおく使い手に必死に報いろうとしてくれていると思うんだ・・・
だから・・・
そんな場面でもアウトを取れる・・・
そんな関係を身をもってわかっているから、巧大コーチはグラブの事を血を分けた兄弟として『兄貴』と呼ぶんだと思うんだ・・・
バカみたいな話かもしれない・・・
でも、立派な大人になった去年まで、グラブの事を『兄貴』と呼んでいたほど、グラブに関しての想いが強いんだ・・・
今回のことで・・・
現役を引退した『一代目兄貴』が、光記のためにともう一度だけ現役に復帰して、技術面だけではなく、本当の意味での道具を大切にするということはどういったことなのか・・・
そして・・・
道具はただの『物』ではないことを、光記に伝えたいのではないかと思う・・・
巧大が高校時代・・・
置いておいた自分のグラブに手を入れた時に、自分が知らないところで誰かが黙ってグラブに手を入れていたら直ぐにわかるので、周りに聞くと実際にそうだったということが何度もあったという・・・
その事を巧大は別に嫌がる訳ではないのだが、それほど自分のグラブに対してこだわりが強く、実際にはグラブと会話ができなくとも感覚的なところで会話をしていたのだと思う・・・
鈴木一郎選手と巧大を同じレベルで見ているとかではなく!!(笑)
鈴木一郎選手はメジャー時代に、自分のバットを若手選手が触れただけで、そのバットは二度と使わなかったらしい・・・
道具に対して特別に思い入れの強い選手にとっては道具はただの『物』ではない・・・
なんだか今日はファンタジーな内容になってしまったけど・・・(笑)
技術的にワンランク上の守備にチャレンジを始めた光記だが、それと同時にグラブに対してのリスペクトもワンランク上げないと、技術も自分のものにできないという事を一代目兄貴が言っている様な気がする・・・
今回光記が感じている「ボールを取らんでも、ボールが取れる」という不思議な感覚・・・
その答えは一生かかっても出ないと思うが、その答えを追求することによって守備がどんどん上達すると思うよ・・・
頑張れ光記!!
そして!!
兄貴!!
巧大に次いで、光記にも守備のイロハを教えてあげてくださいっ!!