思いやりの種・・・
現在、千葉にいる後輩から・・・
半年ほど前に、子供の野球について相談を受けた・・・
その後輩は元高校球児・・・
後輩の息子は小学校5年生・・・
その相談の内容は『送球コントロールが定まらない』という内容だった・・・
何度も同じことを書くけど・・・
私は野球経験が無いに等しいので、相談をされても技術的な部分はわからないのでアドバイスのしようがない・・・
でも・・・
その話を聞いた時にピンときた!!
それはイップス・・・
なぜピンときたかというと長男が一時期イップスに苦しんだから・・・
きっかけとなった出来事については、誤解が生じるといけないので詳細は書かないけど、試合中に起こった出来事がきっかけでイップスとなった・・・
練習中のボール回し・・・
シートノックの最後のバックホーム・・・
セカンドからの1塁送球と2塁送球・・・
ランダウンプレーの送球・・・
プレッシャーを感じる送球のほとんどが、ことごとくショートバウンドしてしまう・・・
そしてやがて・・・
暴投を投げるのが怖くなって、全力で投げる事ができなくなった・・・
そうなれば魔のトライアングルの中に陥っていく・・・
本人にとっては地獄だったと思う・・・
その当時・・・
私も野球経験者である先輩を頼った・・・
すると、その先輩は「本人に自覚があるんだったら、本人に対して技術的な問題ではなくイップスだという事をきちんと話せ・・・」「そして、本人の口からチームメイトに自分がイップスだと言うように・・・」と、アドバイスを受けた・・・
私も戸惑ったけど、本人に対して先輩のアドバイス通り技術的な問題ではなくイップスだという事を伝えた・・・
それから先・・・
本人が周りに対して自分がイップスであるという事を言ったかどうかは定かでは無いけど、半年ほど時間がかかったけど、不思議とその時をきっかけにイップスの症状が改善していった・・・
その出来事から・・・
本人が「投げることが楽しい!!」と言ったのが高校2年・・・
つい1年ほど前・・・
その時やっとイップス完治したのだと、心を撫で下ろした事を今でも覚えている・・・
その言葉が聞かれるまで何年かかっただろう・・・
その経験があるから親としての後輩の気持ちもわかるし、後輩の息子本人の気持ちがわかるような気がした。
なので・・・
アドバイスはできないけど当時の自分の経験を後輩に話した・・・
すると・・・
後輩とその子が偉いところが・・・
本人には勿論・・・
指導者に対してもイップス的な症状がある事を自ら告白し、それならばと指導者が症状が改善するまでの間、内野から外野にポディションを一時的にコンバートして、外野手として調整をさせてくれたらしい・・・
それから半年ほど経過して・・・
今は内野に戻り以前のような症状も全く、逆にのびのびボールを投げているらしい・・・
このやり方が合っているのか否かはわからないし、全ての子達に当てはまるかどうかもわからない・・・
だけど一つ言えるのは、子供が背負っている悩みを共有して共感する事が、本人にとって物凄い励みになるのかという事・・・
スポーツの世界において、自分に不利になるような事はひた隠しにしようとする・・・
だけど・・・
ひた隠しにしようとすればするほど症状は悪化していくし、上手くやり過ごしたとしても自分の中に悩みの種は残ったまんま・・・
うちの長男は堂々と言うんだよな・・・
自分がかつて所属していた学童チームの選手に対してや光記に対しても・・・
「暴投なんか怖がらんでいい!!」
「俺!!前イップスだったけん、ボール投げるのを怖がったら俺みたいになるぞっ!!」って・・・
自分の過去の失敗や苦しみを受容しなければ、他人の失敗や苦しみを共有して共感することなどできない・・・
その観点から・・・
うちの長男も後輩の息子もいい経験をしたな・・・
チームメイトが自分と同じ状態に陥った時にアドバイスできるもんなっ!!
誰かが試合中にミスっても、心からの「切り替えろっ!!」が言えるもんな!!
もしかすると・・・
悩みの種というのは、思いやりの種なのかもしれない・・・
悩みの種を・・・
見て見ぬ振りをするのではなく・・・
育てて芽吹かせてみよう・・・
すると・・・
思いやりという花が咲く・・・
悩みや苦しみから逃げてはいけない・・・
前つんのめりでもいいから・・・
前へ・・
前へ・・・