母なる楠の木
『不可能の対義語は可能ではない。挑戦だ。』
ジャッキーロビンソンの言葉・・・
昨日・・・
長女が参加する来年3月の全国大会の打ち合わせの時に、ふとこの言葉が頭の中をよぎった・・・
ちょうど一年前のクリスマスの時期は・・・
11月の解禁時にお話はいただいていたもののソフトボールの経験がない長女を本当に入学させてもらえるのか・・・?
そんな不安を持ちながら光記の学童野球のホームグラウンドの片隅を借りて二人で練習をやっていた・・・
全く今の長女の現状を想像すらしていなかった・・・
そして・・・
無事高校に合格し入学前の練習に参加する様になると、同級生のメンバーを見ると中学時代に県選抜メンバーに選ばれた選手も五人いて、そのほかの選手達も素晴らしい結果を残した選手達ばかり・・・
長女の前では言わなかったし言えなかったけど、私は正直言って長女は非常に厳しい状況にあると思っていた・・・
しかし、元々は長女と話をして決めた挑戦だったし、周りの人達にも『ソフトボール素人がどんだけやれるかの挑戦!!』だと、公言しているほどの挑戦だった。
そんな1年間が昨日の打ち合わせの時に蘇って『不可能の対義語は可能ではない。挑戦だ。』という言葉が頭の中をよぎったのだと思う・・・
そして・・・
夕方から光記の学童野球チームの卒団式に参加していて、卒団式の最後の方で思い出を綴ったとても素晴らしいムービーを保護者の方が作成されていた・・・
今回卒団する6年生のメンバーは、光記が練習生としてお世話になりだした年中さんの時だったので当時は3年生だったかな・・・
その当時は、人数も全く足りていなくてチームとして非常に厳しい状況におかれていて、試合すらできない時もあるぐらいだった・・・
しかし・・・
彼らは諦めずに一生懸命日々練習に明け暮れていた・・・
すると・・・
入団者が一人増え二人増え・・・
最後の年となる今年は、何十年も続く伝統ある招待試合で準優勝し別の大会でも3位にになった・・・
卒団式でのそんな彼らの軌跡を綴ったムービーを見ていると、再び『不可能の対義語は可能ではない。挑戦だ。』という言葉がまた頭の中をよぎった・・・
彼らもそうだし・・・
うちの長女も・・・
そして、来年から社会人野球の土俵で勝負する長男も・・・
『挑戦』を始めた場所はあのホームグラウンドなんだよな・・・
グラウンドのど真ん中に、あの大きな楠の木があるホームグラウンド・・・
春には新緑の葉が春の風の音を奏でてくれる・・・
夏には厳しい日差から選手達を守る様に木陰を作ってくれて・・・
秋には長い影を作りバッターから夕日を遮ってくれる・・・
そして・・・
卒団となる冬には・・・
卒団する選手達に『これからも頑張れ!!』
そして・・・
『これから先、辛い事があったり迷ったりしたらここに戻って来なさい・・・』と言って、見送ってくれている様に感じる・・・
私は・・・
あの大きな楠の木は、歴代何十年と続くチームの選手達をずっと見守ってくれている野球の神様だと思うし、卒団生達の野球の故郷の象徴だと思ってグラウンドに入る時と出る時に一礼をする・・・
うちの長男も長女も心折がれそうになった時も・・・
何か重要なことを決める時も・・・
大きな楠の木がある野球の故郷へと帰郷して決める・・・
不思議なもので・・・
長男が高校卒業後の進路を伝えてきたのも楠の木の前・・・
長女も中学卒業後の挑戦を決めたのも楠の木前・・・
『挑戦』というものは・・・
大きな不安がつきもの・・・
だけど・・・
あの楠の木が子供達の背中を押してくれる・・・
不安を勇気へと変えてくれる・・・
そして・・・
今は光記も見守ってくれている・・・
あの大きな楠の木は、これから光記にどんな野球人生を与えてくれるのだろう・・・?
どんな挑戦を求めているのだろう・・・?
これからどれぐらいの勇気を与えてくれるのだろう・・・?
そして・・・
昨日巣立った卒団生達にどんな将来を与えてくれるのだろう・・・
これから先・・・
何かあったらあの楠の木の元に来て、あの大きな木の幹に触れてごらん・・・
きっと何かを伝えてくれる・・・
うちの子供達はいつもそうやっているよ・・・
『卒団おめでとう・・・』
『そして、チームの歴史を後輩達に繋げてくれてありがとう・・・』
母なる楠もそう言っていると思うよ・・・