やるのは本人

野球と違ってソフトボールの場合・・・

一度、春から夏にかけてシーズンを迎え、一旦そこで春のシーズンが終わる・・・

そして、夏は一旦シーズンOFFとなり秋から冬にかけて再びシーズンを迎える。

 

夏のシーズンOFFに行われる基礎的な練習が終盤に差し掛かった時に、春には好調だったはずのバッティングが、極端に悪くなった長女・・・

 

当時・・・

長女は自分なりに試行錯誤して原因を探っていたけど、なかなか調子が上がってこず悩んでいる様子だった・・・

 

ある日・・・

私がOP戦を見ていて、長女のバッティングポイントが前に移動している事に気付いた・・・

 

この時に・・・

長男の時に経験した出来事を思い出した。

その出来事とは、トレーニングによってフィジカル面の成長が見られた時に、視覚や感覚の部分と体の反応の誤差が生まれるという現象・・・

 

視覚や感覚は以前のフィジカルの状態ままでの判断で体に命令を与えるが、トレーニングによって体がバージョンアップしているために、その判断と体の反応に誤差が生じてしまうという現象だった。

 

当時の長女のバッティングで例えると、視覚や感覚は以前のフィジカルの状態でのポイントでスイングに関しての信号を送っているけど、夏のトレーニングでフィジカル面が成長しスイングスピードなどが上がっているため、その分インパクトするポイントが前にズレてしまいバッティングを狂わせてしまう・・・

 

もしかしたら・・・

これが原因ではないかと思い、その事を長女に伝えた・・・

 

すると・・・

タイミングよくOP戦が入って、そのOP戦で長女が打席に入る前にランナーが出た。

 

その時に出たサインがエンドランで、確実にフェアゾーンにゴロを打たなければいけないという意識から、ボールを手元まで呼び込んでスイングした時に、以前の様な鋭い打球を打つことができて、その時に今のフィジカルでのスイングのタイミングを掴み、秋のシーズンでもバッティングでチームに貢献できた。

 

そして・・・

今回、冬季練習に入り年明けから少しずつ実践的なメニューも入ってきて、バッティング練習を行っていると、やっぱり以前の様にいい打球が飛ばなかったらしい・・・

 

しかし・・・

今回は本人がその原因をわかっているので、気持ちに余裕があって「今、ボールを呼び込んでポイント探しよる」と言っていたけど、その2〜3日後ぐらいには「今日の練習でポイントわかったけん!!」「そのポイントとタイミングで振ったらバッティング絶好調だった!!」「監督も『もう戻ったなっ!!』って、言わした!!」と言っていた。

 

そして長女が・・・

「今回はただ調子が戻っただけじゃなくて、少し芯がずれても持っていける様になっとる!!」

「少々根っこに当たっても、力で外野まで持っていける様になっとる!!」と言っていた。

 

人間だけではなく何に関しても進化とは不具合がつきもの・・・

パソコンのアップデートに関しても、寄せられる不具合やウイルスなどのリスクの情報を元に進化を続けている・・・

今中国で大変な問題となっているコロナウイルスにしても、ウイルス自体も進化するため治療法も進化しなければいけない・・・

 

進化をするためには、自分にとって不都合となるものや、直視したく無い部分の中に進化の種がある。

 

その自分にとって不都合なことから目を背け、逃げていては進化は無い・・・

きちんと現実と向き合い・・・

悩んで解決策を考え・・・

それを実践すればその経験が自分の免疫となる・・・

 

これを日々繰り返し進化していく・・・

 

この進化から逃げ・・・

進化しているつもり・・・

進化しているフリ・・・

では、上のカテゴリーになればなるほど必ず選手として淘汰され消えていく・・・

 

このサイクルの肝となるのは・・・

自分に何かズレが生じていることに気付き、そのズレを素直に受容して根拠ある原因を見つけ、その対処法を考えて根拠ある練習を実行すること・・・

結局・・・

ヒントは指導者や周りの方々からもらえるけど、実行にうつすのは誰でもなくやっている本人がやるしかない・・・

 

何度も書くことだけど・・・

我々保護者ができることは、ヒントや環境を整えることぐらいしかできない・・・

 

常に『なぜ?』という疑問を持ちながら野球に取り組む癖・・・

『なぜ?』という疑問が生まれたら、その『なぜ?』を掘り下げる癖・・・

『なぜ?』を掘り下げる癖がついたら、『根拠』にたどり着く・・・

『根拠』にたどり着けば、『根拠ある原因』を発見できる・・・

『根拠ある原因』を発見できたら、『根拠ある改善方法』がわかる・・・

『根拠ある改善方法』がわかれば、『根拠ある練習』ができる・・・

『根拠ある練習』は『根拠ある努力』となる・・・

このサイクルが本人の中でできてしまえば、自動的に自分の中で進化していく・・・

 

何度も書くけど・・・

やっているのは本人・・・

 

親は野球をやっている本人にとっては、ただの環境因子の一つにしか過ぎない・・・

しかし、本人の一番身近にいて本人を知り尽くしている環境因子として、本人にとっていい環境を整えていかなければいけない・・・

 

今回は長女を通しての出来事だったけど、光記にも早くこのサイクルを環境因子である親として教えてあげないといけない・・・

 

光記は特に、これから野球の進化もだけど人としての進化を続けなければいけないからな・・・