数年前・・・
お子さんが長男で・・・
球児の母親経験が初めての、あるお母さんが・・・
「〇〇(私)さん・・・」
「今、うちの息子はなぜあんなに監督に怒られているのですか?」
と、目にいっぱいの涙を溜めて訪ねてきた・・・
その時に叱られた理由は、ランナーに出ていた息子がフルカウントでスタートを切らなかったのが原因だった・・・
私は、そのお母さんに一生懸命に説明したら、やっと心の奥につっかえていたものが取れた様子で安心された。
その時に気づいた・・・
大半のお母さんは、自分の子供が怒られている理由もわからず、ただその場面を黙って見ているだけなんだと・・・
その原因は・・・
お母さん方は、野球の複雑なルール的な部分や、野球独特の厳しい男の縦社会的な部分に対して理解しにくい部分がある・・・
ましてや・・・
このお母さんは球児の保護者が初めての経験で、当時全く理解できていなかったと思う・・・
私と嫁さんは・・・
これまで、巧大と長女で11年間球児の保護者の経験をしてきたので、球児の保護者経験がまだ無い保護者さん方の気持ちは痛いほどわかる!!
保護者として、練習や試合を通して我が子に対しての嬉しい気持ちや悲しい気持ち、悔しい気持ちや恥ずかしい気持ちなどなどの感情が各場面で湧き出てくる。
その出来事があってからというもの・・・
私はフォローが必要だなと思う保護者の方には、おせっかい野郎と思われない程度に先輩保護者としてなるべく関与するようにしている・・・
先日、ある高校の選手のお母さんから聞いたけど・・・・
その方のお子さんは、1年生でトップチームのスタメンで試合に出ている。
ある試合でエラーをした瞬間に、周りの保護者の雰囲気が明らかに変わり、その場に居れなくなるほどの雰囲気だったらしい・・・
その時に・・・
そのお母さんは、その雰囲気に耐えきれず
ポツンと・・・
「すみません・・・」
と、言ったと言っていた・・・
そんな・・・
子供がエラーして、スタンドで親が『すみません』と、謝まらなければいけない様な保護者会って、どんな?
光記の学童チームも楽しい保護者会だけど、長女の高校の保護者会はエラーをした選手の保護者が、「お前!!今日晩飯抜きっ!!」と、冗談が出て笑が起こるほど!!
しかし・・・
こんなやりとりに隠されているのは・・・
エラーをやってしまった選手の保護者と、その周りの保護者の心遣いだと思う・・・
「お前!!今日晩飯抜き!!」の冗談に隠された保護者の気持ちは、『すみません』と言葉で言っていなくても、その心中は周りの保護者に『すみません』と言っている!!
それに対して周りの保護者の笑に隠された気持ちは、『気にするな!!』と言葉で言っていなくても、心中ではエラーをしてしまった選手の保護者に『気にするな!!』と言っている!!
お互いにいい大人で、ストレートに『すみません』と言ってしまうと、周りの保護者に余計な気遣いをさせてしまうことや、その場の雰囲気が悪くなってしまうとわかった上でのやりとり。
その信頼関係が成立しているから、ストレートに言葉にしなくても、お互いに奥にある心遣いに気付き納得という思いの成仏ができるのだと思う。
そんな人同士の”思い”をやりとりするから、『思いやり』というのではないかと思う。