有難い命
年明けから新たなプロジェクトに取り組んでいる。
今までやってきた仕事にも関わらず、いざ準備に入ると壁にぶち当たってしまう・・・(笑)
帰りの車の中で、『なかなか難しいなあ〜』なんて、考えながら運転していると、ふとある言葉が浮かんできた・・・
そのある言葉を忘れないうちに!!と思って、その日のうちにブログを書いている。
その言葉というのは・・・
正月番組の『とんねるずのスポーツ王は誰だ!!』を、毎年家族で見る…
その中でも・・・
リアル野球版のコーナーが大好きで必ず見るのだけど、そのコーナーに出演されている芸人のゴルゴさん・・・
この番組に関わらずいじられキャラの芸風だけど、漢字を使った命の授業的な活動もされていて、私はこのゴルゴさんの授業が勉強になり大好きである。
帰宅途中の車の中で、ふと思い出した事とはこのことだった・・・
ゴルゴさんが、ある少年院の子供達に向けて、授業をされていたワンシーンで・・・
悪いことが起きた時に、よく『災難だった』とか言う・・・
この『難』という言葉に良い印象はない・・・
この『難』に、苦・困・災などをくっつければ、『苦難』『困難』『災難』になる。
この『難』が『有る』ことは、普通は嫌なことだし『無い』方が良い・・・
この『難』が『無い』ようにと、『難』を避ける事を『無難』という・・・
しかし『難』が『有る』と書いて、『有難い』と言う言葉になる・・・
誰でも・・・
『難』が次々に襲ってくると、嫌な気持ちになったり凹んだりするけれども・・・
『難』があるということは『有難い』こと・・・
こんなワンシーンだった・・・
これから先は、私なりの解釈だけども・・・
私は難を避ける無難な人生を選択する人の事を否定しているのでは無い…
しかし、私は『難』に『挑み』、『難』と『戦う』ことによって『挑戦』になるように、『挑戦』する人生を子供達に送って欲しいと思っている。
なぜそう思うのか・・・
その理由は・・・
巧大の中学時代・・・
他のメンバーと比較すると力の差は歴然としていた。
その差に本人は苦しんだ・・・
その差を少しでも補おうとするが、この時期はメンバー全員が成長期であるため、自分が成長しても周りも成長するため、この差はなかなか埋まらず、本人が納得できる結果を残す事ができず苦しんだ・・・
そして・・・
中学時代に進路を決める前に熊本地震が起こった・・・
自宅が大きな被害を受け、当時はまだ復旧の見通しが全く立たず、第一志望の高校からお話はいただいたものの『経済的な理由』という大人の都合で、希望通りの高校へ巧大を進学させてあげる事ができなかった・・・
当時は地震に対しての支援や補償などがはっきりしてない上に、自宅の復旧に必要な見積もりの桁が一つ違っていた・・・
しかも…
自宅の罹災証明の判定は2度行っても半壊としかならず、十分な支援が望めず修理しても地獄・・・新築しても地獄・・・
そんな状況で、第一志望の高校は通学が無理であるため、寮費など色々な費用を合わせると経済的に無理だと判断してしまい、長男に第一志望を諦めてもらうことにした。
そのことに、当時中学生だった長男は当然納得いかなかった・・・
今でも巧大の部屋に大きな穴が空いている・・・
それは、その時に悔しくて壁をぶん殴って開けた穴・・・
私の無難な選択をした結果によって開いた穴・・・
そして、穴が開いたのは壁だけではなく、巧大の心の穴まで開けてしまった・・・
地震という災害がきっかけではあるものの、結果的に私の力不足で経済的な理由という、大人の事情に巧大を巻き込んでしまった・・・
結果論だけど・・・
この進路を選んだから今があるわけで、本人も実際に進学した高校を選んでよかったと言うし、心から感謝していると言うけど・・・
私の目から巧大の高校野球を振り返ると、一度開いた心の穴は簡単には埋まらず、とうとう最後まできちんとは埋まりきれなった様に感じて、巧大の部屋の壁に開いた穴を見るのが今でも辛い・・・
そんな経緯がありながらも、高校野球を頑張っていた巧大だったが、腰の故障によって、高校野球を通過点として捉えるのか、それとも腰の故障を押して志す野球とするのか・・・
その間で苦しんだ・・・
その時期に『有難い』お話をいただいた・・・
その有難いお話をいただいたのは、現在の野球部の総監督からだった!!
そして現在に至っている・・・
そんな巧大の野球をずっと見てきて・・・
まず中学の時に経験した、頑張ってもなかなか埋まらなかった力差は、肉体的にも精神的にも『困難』を極めた・・・
そして、高校の進路に関して最終的には私の力不足が原因だが、未曾有の大災害に見舞われ第一志望の高校へ行けなかったという『災難』・・・
高校野球を通過点として捉えるのか、それとも目の前の結果を出す事を優先させるのかの間に立ち、迷い苦しんだという『苦難』・・・
その色々な『難』が『有』って、今がある・・・
現在は、野球選手としては小柄かもしれないが、それなりの身長や体重になり力差を感じない。
そして、本人の野球に対する理想と現実がピタリと一致して、今まで積み重ねてきたこと全てが、今のためだったと断言できるほど、納得のいく進路を選んだと思っていると思う。
そして、クラブ選手権や都市対抗野球などで結果を出すという、明確な志す野球を主将という立場で行えていている。
これは・・・
数々の『難』が『有った』からこそであるし、その『難』に『挑み』続けたからこそ訪れた『有難い』ことである・・・
それに比べ私は・・・
中学の時に4番の控えだという事で、レギュラーを端から諦めベンチに入れればいいぐらいに思っていた・・・
それでも高校野球に憧れていて、高校に行っても野球部に入ろうと思っていたが、いざ高校に入学すると、特待の選手達を見てすぐに諦め、人数が少ないハンドボールに入部した・・・
そして、ハンドボールのキーパーとして九州選抜出場というそれなりの結果を出し、実業団への誘いがあったが、自分は実業団は無理だと決めつけて、福祉の専門学校へ進学した・・・
巧大とは、まるで正反対の『無難』な選択しかしてこなかった。
そして、巧大の高校進学の時も『無難』な選択をしてしまった・・・
タラ・レバの話は外道だとわかっているが・・・・
もしも、私が青春時代に『難』が『有』る選択肢をして、その『有難い』経験を積んでいれば、その経験を生かして、もっと納得いくような野球人生を、巧大に送らせてあげる事ができたかもしれない、なんて思って後悔することがある・・・
その後悔はどこから生まれるのか・・・
それは、私が要所々で『無難』な判断をしてしまうから・・・
私が『難』に『挑』まなかったから・・・
私の青春時代も含めて、今になって後悔する事だらけで・・・
だから…
子供達には『無難』な判断ではなく、今が有るのは、あの時の『難』が『有』るからだと思える『有難い』判断をして欲しい・・・
一度しかない人生・・・
一度しかない『命』・・・
『人』を『一』『叩き』をまとめると、『命』となる・・・
胸に手を当てると・・・
ドクンドクンと伝わる鼓動・・・
このドクンドクンと『一叩き一叩き』打つ心臓・・・
これが命・・・
この一つしかない『有難い命』をどう使うのか・・・
そんな事を教えてくれた、ゴルゴさんの言葉を今回思い出した・・・
つくづく子供の野球を通して、自分の人生について学ぶことばかり・・・
親として恥ずかしい限り・・・
だから!!
その教訓を生かし!!
今回のプロジェクトは『無難』な判断はせず、自分にとっても周りの方々からも『有難い』と思っていただくような結果を残したい。
巧大に負けないように…
今度こそ自分の命を『有難い命』にしなければ・・・