残響・・・

「緊張」
医学に言うと、人間の防衛本能だそうです。
人間が、まだ人間ではなく動物だった頃から現在まで、DNAに組み込まれているもので、食うか食われるかの世界で、敵と遭遇した時に身を守る手段として、人間に備わっているものだそうです。

緊張で、心拍数が上がるのは車に例えると、エンジンの回転数を上げておけば、急発進できるのと一緒で、瞬発力を上げ体を動かしやすくするため・・・

顔が赤くなるのは、パソコンに例えるとデータ量が大きい情報を処理する時に、パソコンの脳であるCPUがかなりの電力を使い、パソコンが熱くなってしまうのと同じで、人間もとっさの判断力ができるように脳への血流量を一気に上げるため顔が赤くなる・・・

体の動きが硬くなるのは、敵に襲われた際に筋肉を硬くすることにより、体を噛まれたり引き裂かれたりする傷を最小限に抑え、出血量を少なくするためです・・・

脳では、アドレナリンが過剰に出て興奮状態になり、それが自律神経などを通じて体に伝えている・・・

先週末に行われた、日本少年野球連盟九州大会3位決定戦・・・

試合開始時間が、13時という事でホーム球場にて練習を行い、試合会場まで移動しました。
その、移動中の車内で巧大の口から、野球を始めて7年間で始めて・・・

「今日は、なんか緊張しとる・・・」と漏らしました・・・

今までも、緊張はしていたのかもしれませんが、学童時代から今まで一回も緊張しているなど、言ったこともなく、逆に同じような条件でも移動中の車の中で寝てしまわないように、起きておくように怒り倒していないといけなぐらいでしたが、今回は始めて私に緊張していることを伝えてきました・・・

いざ、試合が始まり大事な場面での捕球エラー・・・

チームの負けにこのエラーが大きく絡んでおり、申し訳ないと言う気持ちがある事が、前提の話になりますが、巧大個人のプレイに対して私が悔しかったのは、その後に来たボテボテのセカンドゴロを、再びエラーする事を恐れ、ビビリまくった動きを取った事がとても悔しく思いました・・・

まさに、防衛本能・・・

前回大会での、初回のエラーを引きずり、ビビっての試合前の緊張・・・
いざ試合が始まってからの、エラーでビビっての緊張・・・

防衛=自分を守るためのプレイ・・・

そんな、状態でチームに貢献できるはずがない・・・
自分の身を守る事で精一杯の奴が、相手からの攻撃をかわす事など出来ない・・・

積極的に、ボールを取りに行かない・・・
積極的に、ボールを打ちに行かない・・・

それは、結果的に自分さえよければの、自己中心的な考えがある甘ちゃん・・・

そんな事を思い、帰りの車で巧大と車内で話そうと思っていましたが、本人の口から先に・・・

「俺、今日は気持ち的にセカンドにボールが来るのが怖かったとたい・・・」
と言ってきました・・・

「また・・・エラーしたら引っ込められるて思って・・・」
「エラーした時に、あ~またチームの足引っ張った・・・、あ~選手交代だ・・・」
「でも、監督がそのまま俺を使ってくれて、その後もずっと・・・」
「巧大‼️声を出せ‼️」
「巧大‼️足を動かせ‼️」
「巧大‼️ビビるな‼️」
「巧大‼️ボールを当てにいかず、ストレートはフルスイングしろ‼️」

「ずっと声を、かけてやらした・・・」
「だけん、その後にどぎゃんかして取り戻そうて思ったばってん、なんもできんかった・・・」

「せっかく、俺ば使ってくれたばってん、なんもできんかったけん、また試合終わって泣いてしまったとたいね・・・」

本人が、自分で言ってきた事と、私が思っていた事が一致したので、私からは一言だけ・・・
エラーや選手交代が怖いんじゃなくて、自分の弱い気持ちを怖がるように伝え、それを克服するには日頃からの練習で気を抜かず、常に積極的なプレイで練習を行い、チーム内で一番大きな声をだして、弱むしの気持ちに勝つ練習を早速明日からの練習でするように伝えました・・・

本人も、素直に自分の至らなかった事を謙虚に受け止め、見苦しい言い訳や自分を擁護するような事を、全く言わなくなった事は成長だと思いますし、そこについては本当に嬉しく思っています。

私は、前の考えであれば緊張する事は悪い事と思っていましたが、今回の緊張のメカニズムを知った時に、悪い事ではないと思いました。
脳が活性化され、心拍数が上がり瞬発力も上がり、プレイパフォーマンスが上がります。
緊張は味方につければ、日頃出来ない事も出きてしまいますが、敵にしてしまえば自滅する結末が待っています。
せっかく、その緊張という物を今回の大会で覚えたのであれば、緊張を味方につける練習を、謙虚な気持ちでコツコツと行って欲しいと思います。


最後に巧大が車から降りる時に・・・
「今日も一日ありがとうございましたっ‼️」
「今日もティーお願いしますっ‼️」

「もう~俺・・・自分が嫌だあ~・・・」と言って、降りて行きました・・・(笑)