今まで代表をけん引してきた澤穂希選手が現役を引退し、精神的な支えをなくした影響はかなり大きいと思います。
この精神的な支えとなる選手の影響とは何か・・・?
実際にプレーしていなくても、その場にいてくれるだけで安心する・・・
そんな言葉をよく聞きます・・・
私も職業柄、最近よく耳にするのは・・・
”寄り添う介護”
ただそばにいるだけで安心して、時間を過ごせる存在はスポーツの世界でも、とても大切ではないかと思います。
巧大がチームのメンバーと過ごす時間が、残りわずかとなってきました・・・
そんな中で野球以外のところで、実際に私も見たり感じたり、周りの保護者の方々からのお話をお聞きしたりする中で、親としてとても嬉しいことがポツポツと入ってきました・・・
以前にもこのブログで記事にしたけど、一学年下に耳にハンデを持ちながら、野球が大好きで一生懸命頑張っている1年生の選手がいます。
一言で言うと・・・
彼は誰よりも
本当に信念を持った、強い男であり強い野球選手です。
なぜならハンデがある自分を受容し、硬式野球という厳しい世界にチャレンジしている・・・
彼には、野球に対しての覚悟がある・・・
弱ければ、絶対に今の彼はない・・・
だから巧大には、いつも言い聞かせます・・・
「Yは、お前とは比べものにならないほど強いやつなんだ!!」
「でもお前が一学年上である以上、Yより強くならなければいけない・・・」と言ってきました・・・
本当に強やつは、その強さと同等の思いやりを持ちあわせている・・・
強がっているやつは、本当の思いやりは持ち合わせていない・・・
だから、Yよりも本当の意味で強くならないといけない・・・
私は高校を卒業して福祉の道に進学しました・・・
そして、福祉について学び資格を取得して今に至ります・・・
私もこんなですが、福祉人の端くれです・・・
彼が耳にハンデがあるから、巧大に優しくしろ!!ということを言っているのではなく・・・
彼がひとりの野球選手として、大好きな野球を安心してできるように、サポートしろと巧大に言っているだけで・・・
反対に、巧大より打球を飛ばすのもYの方が飛ばす・・・
ハンデが違うだけ・・・
そんな私が伝えたい部分が、巧大の精神的な成長で理解できてきたように思う・・・
ある保護者さんから、Yが弁当をひとりで食べているのを見て、巧大が「お前、ひとりでメシは食うな!!こっちに来い!!」と声をかけてましたよと・・・
コーチから、Yがひとりでたくさんボールが入ったコンテナを運んでいて、巧大がさっときて手伝ってましたよと・・・
練習中や試合の時などに、急な車移動が必要になった時や、日程が予定よりも早く終わり、Yのお母さんがいない時に、Yが孤立しないようにと見配りしたり、Yを私の車に引っ張ってきたり・・・
彼が、安心して野球に打ち込める環境を作るという、一部分でも巧大が役に立てていることが、私は本当に嬉しい!!
巧大は野球選手としては、いくら練習をしても下手くそで、チームの足を引っ張ってばかりいますが、人としての大切な部分の成長が野球を通してできてきたことが、親として本当に嬉しく思います。
本当の・・・
人としての強さ・・・
野球をやっているいじょう、野球人としての強さ・・・
今も納得できないこと、悔しさや辛さなどがたくさんあると思います。
そんな出来事があればあるほど、強くなれるし思いやりを持った人になれると思います。
誤った優しさは、人を傷つけてしまいます。
だから、人の気持ちがわかる思いやりのある、気配りのできる人への成長・・・
何があっても腐らず諦めなければ、時間というものは平等です。
その平等に与えらえた時間をどう使うかが、今後の自分の将来を大きく左右します。
そんな諦めない姿を、チームで過ごす残りの4ヶ月間、巧大がいつも気にしている後輩達に、先輩として本物の強さを伝えて卒団してほしいと思います。
試合や練習の時も、力不足や失敗をして試合に出れなくても、黙って自分の至らない部分を考え練習して、先を目指して努力していることを嬉しく思います。
これから高校などの上の世界での野球を通して人間力を学び、周りの人たちから信頼される人・・・
あの人がいるだけで、安心できると言われるような、社会人になっていってほしいと思います。