イージー

”なんで・・・こんな難しい野球っていう競技を息子は選んだんだろう・・・”
なんて、思うことが最近多い・・・
野球だけではなく、スポーツや勉強もそうなんだと思うけど・・・

特に硬式野球なんて、あんなに硬いボールを命がけで投げて、そのボールを硬い木の棒や、鉄の棒で命がけで叩いて、それを皮の手袋で命がけで取って・・・

そして、四角の板目指して命がけで走って、その板を4つも踏んでも、1点しか点数が入らないゲーム・・・

その、1点を取るために費やす練習は過酷極まりない・・・

反対に、4っつの板を踏ませないための練習も、これまた過酷極まりない・・・

その攻撃と守りを、これまた別の人間がするのではなく、両方こなさなければいけない・・・
そして、攻撃にしても守りにしても、勝つためには恐ろしいほどの数の策を講じる・・・

そんな複雑だから、練習しても練習してもキリがないほど、次から次に課題が出てくる・・・
本当に行き着く先がない・・・

こいつ・・・
何言ってるの?って・・・今思ってます?(笑)

もう・・・
1ヶ月ほど・・・
そんなことをふとした時に思うんですよ・・・

そんなことを思うようになったきっかけは・・・

先輩から・・・
「巧大に、野球のすべての中で一番怖いものは何か?って、質問をしてみな?」
と言われた・・・

なぜ、巧大にそんな質問をするのかを、先輩に聞いたら・・・
「巧大の野球に対しての、成熟度がわかるから、お前(私)自ら聞いてみろ」と言われた・・・

そして・・・
「その巧大が出した答えで、お前は(私)今後の巧大との野球での関わり方を、見極めるべきだ」と言われた・・・

正直、なぜかわからないけど、巧大にこの質問をするのが、怖くてたまらなかった・・・
もしも、巧大が出した答えがやたらと、成長していないような答え出したらどうしようと思い・・・
※私、結構なビビリなもんで・・・(笑)

勇気振り絞って、車内で先輩から言われたまんまの質問を、巧大に突然投げかけてみた・・・
すると意外や意外・・・巧大が即答した。

「イージー
と答えた・・・

私は一瞬頭の中が・・・
「???????????????」

慌てて・・・
「何が・・・・・?」と聞き返した。

すると巧大が・・・
「小さい頃から野球してきたけど、野球はなんばするにも、簡単て思うことが一番難しいけん、イージーが一番怖い・・・」

「試合に負ける時は、必ずイージーなミスが絡んで負けるけん・・・」
「自分のイージーミスで、流れが変わって試合に負ける・・・」
「簡単なゴロやサインミスやバントの失敗とかの、出来て当たり前のミスをした時の、チームへの影響もでかいけど、自分にとっても、その後にたいぎゃ影響するもん・・・」

「だけん、一番怖いのは自分がイージーて思う心・・・」
「だから、答えはイージー・・・」

と答えた・・・
※今日の答えは、巧大が言ったことをリアルに、着色なしで書いております(笑)

その答えを、先輩に伝えると・・・
「どれだけ、巧大が顔で笑ってても、今までの自分の失敗をスルーしてたわけじゃないだろ・・・」
「だからこれから先は、巧大にある程度自由に野球をやらせろ・・・」
「野球の姿勢に対しては、まだ中学生なんで口挟むことは必要だけど、野球の内容に関しては、本人に任せろ・・・」
「もう、巧大とのスタンスを切り替える時期だと思う・・・」
と言われた・・・

死球、叱られること、三振・・・
そんな答えを、俺は正直言って想像していた・・・

ところが、そんな抽象的な答えではなく・・・
巧大が出した答えは「簡単なことを、簡単と思う自分の心が一番怖い」ということ・・・

正直、この答えが嬉しかった・・・

それはなぜか・・・
今までの失敗を、活かせていること・・・
背伸びして硬式野球を始めて、いろんな意味でこの2年半は、苦しかったと思うし、辛いことが多かったと思う・・・

しかし・・・
出した答えが、それらを糧に出来ている・・・
人生勉強を野球を通して出来ている・・・

野球が上手いとか、上手くないとかは別として、親として本当に嬉しく思う・・・

そんな出来事があって・・・
私は逆に、人の生きる道の勉強が、ここまでできる野球は、どんだけ難しい競技なんだろう・・・
極めようとすればするほど深くなるし・・・

本当に、何でこんな難しい、野球っていう競技を息子は選んだのだろう・・・(笑)