故郷

私は、一度も実家を出て生活を送ったことがない・・・
結婚した後も、嫁さんが私の家に嫁いできたので、純粋に一度も実家を出たことがない・・・

なので・・・
正月や盆に帰省した経験がないため、故郷に帰るという気持ちが、どんなものかが全くわからない・・・

そして今日・・・
その故郷に帰るということが、どんな気持ちなのかが、ほんの少しわかったような気がする・・・

長男が高校に通いだし、肉体的にも精神的にも急激な環境の変化であった為、毎日の高校生活を送るのがやっとという状態になり、中学校1年生からずっと通っていた、野球に特化したトレーニングをしてくださるジムに通えないでいた・・・

それが最近・・・
やっと高校生活にも慣れてきたので、そのジム通いを約2ヶ月ぶりに、今日から再開した・・・

わずか2ヶ月と感じるけど、もう何年もジムに行っていないような感覚になっていた。
私だけではなく、長男もきっと同じ感覚だったと思う・・・

しかし・・・
そう思うのも仕方ない・・・

今までの3年間・・・
週に2回・・・
よっぽどの用事がない限り、このジムで汗を流してきた。

そんな場所だったので、わずか2ヶ月というわずかな期間だったけど、オーバーな話ではなく、今日は数年ぶりに訪れる感覚だった・・・

いざ、ジムに到着すると・・・
ジムの匂い・・・
雰囲気・・・
何もかにも懐かしくて・・・

そして何より、長男にとって野球のお父さんみたいな存在で、私にとっては兄のような存在の、オーナーでありトレーナーの○○さんの姿を見たときの、心の底からホッとする不思議な感覚・・・

そして、今日・・・
ジムに、偶然来られていた〇〇さん・・・
この方も、長男が中学時代にものすごくお世話になった方で、ジム到着時の車内でその方の姿を見た瞬間に、長男が本当に嬉しそうな表情を浮かべていた。

トレーナーの〇〇さんも、その方も・・・
長男の中学時代・・・
物凄く辛く苦しい時期には、一緒になって本気で苦しんでくださり・・・
反対に良い結果が出たときには、一緒になって本気で喜んでくださり・・・

私たち親子の、中学硬式時代の全てを理解してくださっている方々・・・

今日改めて気づいた・・・
私たち親子にとってのこのジムは・・・
ジムでありながら、ジムの領域を超えている心の拠り所・・・

血が通っている・・・
そして、心が通っている・・・

冒頭に書いたけど・・・
私は故郷がない・・・

今日、そのジムに行って思った・・・
私たち親子にとって・・・
このジムは故郷・・・

そこは・・・
実に暖かい場所だった・・・