野球の試合は物語・・・

私は中学時代にしか野球経験がなく・・・
それも、あまり真面目に取り組んでなかったので、少し突っ込んだ野球のことになるとまるでお手上げ・・・(泣)

私が随分前からお世話になっている先輩は、全国でも有名な高校で野球をやっていたので、色々と野球について教えてもらうけど、少し前にどんな視点で野球を見ると面白いのかをとてもシンプルにわかりやすく教えてくれた。

それは実にシンプルで・・・
『攻撃では・・・』
『1試合27個のアウトを、いかに効率よく使うか・・・』
『そして、そのアウトの一つ一つにどれだけ高い付加価値をつけれるのか・・・』

『守りでは・・・』
『1試合27個のアウトを、相手からいかに効率よく奪うか・・・』
『そして、そのアウトの一つ一つにどれだけ相手に意味を持たせないか・・・』

『攻撃も守備も、そのアウトの内容がゲームの流れになる』と、言ってた・・・

単純にコールドゲーム以外であれば、どれだけ点数を奪ってもいいルールだし、何点以上点数をとってはいけないなどのルールは存在しない・・・

しかし、アウトの数は9回のゲームであれば27個までと決まっている・・・

そうなると数の上限がお互いに平等に決まっているアウトの数・・・
それを攻撃時には27個のアウトに付加価値を高めて、相手からいかに効率よく点数を奪うのか、そして守備時には、27個のアウトの意味や内容をどれだけ相手チームからそぎ落としてアウトを奪い、いかに効率よくアウトを奪うのか・・・

『采配する指揮官は、奪われる27個のアウトと、奪う27個のアウトの合計54個のアウトのコーディネーター』だと先輩が言っていた・・・

指揮官は攻撃に関しても守備に関しても、1回1回の3アウトでリセットではなく、1ゲームの中の54個のアウトの使い方と奪い方を、トータル的に常に考えていると先輩は言っていた・・・

先輩的には、それを私にわかりやすく表現するために『指揮官は小説や物語を書く作家のようなもので、1試合を通しての物語を書き上げていく様なもの・・・』だと表現した・・・

『攻撃の時に、アウトになることが悪いのではなく、付加価値のないアウトになることがいけないし、守りの時もエラーが悪いのではなく、相手に付加価値を与えてしまうエラーがいけない・・・』

『そういう視点で、お前も子供の野球の試合を見ると、今までと全く違う世界の野球が見えてくると思うよ・・・』と、私に言った・・・

『学生野球は、精神的にも肉体的にも野球知識的にも未熟な選手たちがやるから、その付加価値的な部分が大きく試合を左右する。だから見る方にとってみれば大逆転劇などがあって、日本ではとても人気があるスポーツなのが学生野球。』

『だから、未熟であれば未熟であるほど大逆転が多くなる・・・』
『実際に学童野球なんて、最終回に10点差をひっくり返してのサヨナラゲームなんてよくある話だろ・・・?(笑)』

『そんな野球選手として未熟な選手たちなので、それを采配する指揮官次第で大きく結果が左右されるのも現実・・・』

『選手達本人が、アウトの価値やアウトの意味を自ずと理解し納得することができる指導をするのが、名将と言われる監督さん達だと俺は思うし、そんな指導のもとにアウトについて真剣に選手が向き合うことができるから、そんなチームが結果を残せるのだと思うよ・・・』と・・・

いつもは、冗談ばっかり言っている先輩が珍しく真面目に語った・・・(笑)

私にとって先輩が最初に言った言葉は、実にシンプルでわかりやすかったけど、その本当の意味の奥深さまで理解できるまでには、まだまだ時間が必要だと思う・・・

しかし、そんなシンプルな視点で野球を見ることから始めると、これから見えてくるものがたくさんあるような気がするし、実際に今野球をやっている長男や次男がやるプレーを見ることで、どれだけ野球を理解しているのかを秤にかけることもできるような気がする。

もし・・・
私もアウトの価値が理解できるようになると、今の何十倍も野球が楽しく見れるんじゃないかなあ~

まだまだ野球を勉強せなんいかんばい・・・
勉強になりました・・・

そして最後に先輩が言った・・・
『俗に言う”野球を知っている選手”とは、アウトの価値を知っている選手のことだ。』と・・・